遠くの街としあわせと‥１(ＪUMPｘＪＵＭＰ) 街シリーズ(１) (ページ41)

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＝太陽・９＝ページ41

「母ちゃんっ。
　しーちゃんがね、ずーっとずーっと母ちゃんに
　この花を見せたかったんだってっ。
　ねぇ、母ちゃん、きれいでしょ？んふふ。
　この花、しーちゃんみたいだよね。
　ね、母ちゃんっ。」

視界が涙で、滲んで・・・

オレは、ポタポタと涙を零しながら

墓石にソッと触れ・・優しく優しく撫で

「うん・・綺麗だ＿＿＿。
　ホントに、あの子みたい・・。
　花弁が雫みたいね・・。ありがとう・・。
　しーちゃん、ありがとう。・・うふふ。
　ありがと、大貴。」

雫の花弁が、たくさん。たくさん。

風に揺れて、笑ってる。

さわさわ。さわさわ。

ゆらゆら。ゆらゆら。

あの子が笑ってる、楽しそうに。

大貴が笑ってる、楽しそうに。

ありがとう。ありがとう。ありがとう。

「ありがとう・・。」

後ろから裕翔が、

オレをぎゅぅぅっと抱き締める。

オレは裕翔の手の甲に、

ポタポタと、涙の雫を零した＿＿＿＿＿＿。

「母ちゃん、泣くなよっ。
　しーちゃんが、心配するぞっ。」

そう言って、大貴が、

オレのお腹に、ぎゅぅぅっと抱き着く。

「そうだね・・笑顔で見なくっちゃね。
　こんなに綺麗な花なんだもの＿＿＿＿＿。」

愛のしずく＿＿＿＿。

裕翔とオレの、あいのしずく。

しーちゃん、ありがとう。ありがとう。

大貴は、裕翔とオレの

あいのしずくであり・・・

大貴は、裕翔とオレとしーちゃんの

眩しくて明るい、太陽だ。

オレ達を、照らしてくれる

温かく、ぬくもりをくれる

明るい明るい太陽だ。

ありがとう、大貴＿＿＿＿＿。

粉々だった、心も涙も

全部、全部、拾い集めて・・

しわしわだったあの子の

母子手帳を、泣きながら笑顔で

皺を伸ばして＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿。

大貴が・・大貴が救ってくれた。

どんな事も、乗り越えられる。

しあわせを、ありがとう。

これからも、しあわせに寄り添って

暮らしていこう。

大貴が、

太陽の様に、笑顔で居られる様に。

みんなが、

楽しく、笑顔で居られる様に。

みんなで、仲良く暮らせる様に・・

あいのしずく達・・ありがとう＿＿＿＿＿＿。

＝おわり＝