遠くの街としあわせと‥８中編(ＪＵＭＰｘＪＵＭＰ)街シリーズ(８)

＝薮だけに..・５＝ ページ5

『何、宏太。』


アッサリした光の声に、一瞬たじろいだが..

勇気を振り絞り、言った。

「いや〜、そのさ。。
　光、元気かな〜とか、とかとか、思ってさ。
　ほら、久し振りだしさ、な？」


『ふふふ＿＿久し振りって、おいおい宏太。
　まだ、一週間ぐらいしか経ってないべ
　何言ってんだよー、おみゃ〜はっ！』


「いやいやいやっ！違うって！！
　久し振りなんだってっ！だってさ、
　１０日＿＿もう１０日以上も逢ってねぇし
　話してもねぇーんだからさっ。」


『ちょ＿＿宏太。。』


「何だよ〜〜、光は俺と逢えなくて
　寂しくないのかよぉぉ〜〜〜。。」


『大袈裟だな〜、宏太は。』


「大袈裟なもんか!!
　な、何だよ＿＿＿俺だけ..俺だけなのかよ。
　俺、ちょ〜〜光に逢いたかったんだぜ。
　...でも、電話もメールも、光から
　くんねぇーしさぁぁ〜〜。俺、俺はっ・・
　ちょ〜〜悩んでたのにさぁぁぁ〜〜〜。」


『・・・・・・・。』


ネチネチ言った俺の耳に、シ――――ンと

静まりかえった電話越しから

スゥ〜〜〜っと息を吸う音の後に＿＿＿＿


『うっるせぇぇぇぇぇぇ〜〜〜〜っっ!!!
　こぉのっバカ宏太ッッ!!』



「ひゃっ!!??ひ、ひかっ＿＿」


『テメェ、自分だけが悩んでたと思うなよっ！
　このスカポンタンのポンポコピーめっ！』


「ス、、スカポ？？ちょ＿＿ひ、ひか、る？」


『ウッセーッ。。
　お、お、オレだって、オレだってなっ。。
　この、バッカやろぉぉ〜〜〜ッッ!!!』



光の叫び声が響き、その後＿＿ガチャンッと・・

ブチッっと、電話が切れた。



「＿＿＿え？？え？？
　も、もしもし？？もしも＿＿ひか、光？？
　ひ、ひかるぅぅぅぅ〜〜〜〜ッッ!!??」





＿＿＿＿＿＿＿ヤバい。。。。



ヤバい、マズい、どうしょうっ。

光を...怒らせた＿＿＿＿。



言い訳したくて、電話をもう一度掛けようとし

思いとどまる。



「マズい＿＿どうしたら・・」




俺はボソリと呟き、後先考えず、家を飛び出した＿＿＿＿。




パーカー、スウェット姿では

少し肌寒くなった１０月下旬の住宅街を

俺は、携帯片手に猛ダッシュ。



急いで走る。走る、走る、走る。



光に逢いたくて、謝りたくて、

街灯が寂しく照らされた通りを

急いで走ったんだ。






＿＿＿＿＿＿＿＿ゼィゼィと息を切らし

ハァハァと肩を揺らして、汗だくの中

光の家の前に到着した。


「ハァ・・ハァ・・ハァ＿＿＿」

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