=雄也くん・3= ページ3
「あっっ____!!」
ふと膝の上を見て、僕は声をあげた。
「ああっ。あれ?・・膝の上の
きょ、教科書がないっっ。あれれ?どこ?
どこ行っちゃったの〜・・??」
おっきな風で飛んで行ってしまった教科書を探して
僕は、あわあわ。キョロキョロ。
「あれぇ・・。な、ないよぅぅ・・。
ど、どこぉ〜〜。」
あわあわ。慌てて探している僕。
ローファーの中に浜辺の砂が入って
とっても歩きにくいの。
「なぃ・・。ないよぉ・・。」
うつむいて、しょんぼりした僕。
あわあわ、しょんぼりの僕・・
「どうしよぅぅ・・。」
ボソリと呟いたあとに_____。
さっきまで曇っていた空から夕焼けが顔を出し
うつむいた僕の砂まみれのローファーに
細長〜い影が重なる。
僕は、パッと前を見た。
僕の目の前に、ニセモノのお姫さまの前に・・
夕陽を背にして立っていた_____。
____王子さま?____
こまった顔のニセモノにお姫さまのピンチにね・・
おっきな海から、王子さまが来たの。
白馬には乗ってなかったけど
でも、サーフィンのボードを持って
びしょぬれで立ってる波乗り王子さま。
こまってしまった僕の前に
夕陽に輝く海の雫をキラキラと纏って
波に乗ってやって来た______。
_____王子さまだ・・。_____
その人がもっと僕に近付いて
「なぁ。お前が探してんの、コレだろ?」
「__ほぇ?」
「ふふ。」
ボードを持った少しお兄さんっぽい男の子が
僕のぷらんっとしてる手を持って
教科書を渡してくれた。
「ほら、コレ。波打ち際スレスレだったぜ。
間一髪で拾ったんだけどさ〜。
ワリィな。どーせ俺が触っちまったから
少し濡れちまって____。」
「ぁ・。。いっ、いえっ・・。
あ、ありがとぅ・・ござぃます・・。」
少し長めの茶色い髪に付いた水滴を
キラキラ夕陽に輝かせて
かっこよく髪を掻きあげ笑って
「いーえっ。じゃあなっ___。」
遠い所から大人の人に呼ばれた男の子は
乾いた砂の上に、ポタポタ海の雫を零して
去っていってしまった。
「___あ・・。」
どこの誰かも・・わからない、
僕の波乗り王子さま・・。
王子さまが去ってしまった海辺は
また、どんよりと重たい雲が空を覆い尽くす。
暗い。暗い。どんよりした海岸に
温かな陽だまりの香りを残して・・
僕は、さみしくて
また、途方にくれた_____。
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あひる☆(プロフ) - りみさん» りみしゃーん!!!なれなれ。そめそめ。読んで頂いてありがとうでしたー。もぅー嬉しいコト言ってくれるんだから〜(●^o^●)はい!次は中島家ですっ。がんばるぞぉぉ〜〜。ねずちゅー。んふふふ〜〜。 (2018年3月30日 14時) (レス) id: 1de3d98a10 (このIDを非表示/違反報告)
りみ(プロフ) - あひるさーん!!!なれなれ、そめそめ。ステキなお話だったぁ。涼介さんと光さんみたいに、何回も読み返してしまいそう(笑)次は中島家なのね!ドキドキしながら待ってまーす。あっ!ゆーりちゃんの、ねずちゅーもいつか見れるかな?! (2018年3月30日 7時) (レス) id: 4ca4f01d29 (このIDを非表示/違反報告)
あひる☆(プロフ) - ひじりさん» ひじりしゃまっ♪コメントありがとぅですー。くーってなって下さってありがとうっ。そう言って頂けて・・もぅ。頑張るっっ( ;∀;)たくさんコメント書いて下さって嬉しかった〜〜☆がんばりますよぉ〜〜!! (2018年3月30日 0時) (レス) id: f7cc0dc41c (このIDを非表示/違反報告)
ひじり(プロフ) - コメント失礼します!! たかいの〜!くーーーってなってます!! 私はゆとやま推しですけども、たかいのが綺麗で可愛すぎてもう…っ!!泣 この3組、読者をキュンキュンさせすぎです!笑 長々と長文失礼いたしました!!汗 (2018年3月29日 10時) (レス) id: b0ac71fcb8 (このIDを非表示/違反報告)
あひる☆(プロフ) - キャティアさん» ひゃっほ〜〜ぃぃ。キャティアちゃんだぁ。ぅんまぁぁ〜。読み返してくれたのねっ。うっれしぃぃぃ。ありがとう。テイッ。かわいー。('◇')ゞ頑張れビーム、しっかり受け取りましたっ。 (2018年3月29日 3時) (レス) id: f7cc0dc41c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あひる☆ | 作成日時:2018年3月20日 18時