【プリンス・オブ・ストライド】『好きだ』の言葉が言えなくて、君の側にずっといたい

第１８話☆°*真実はゴールで ページ19

貴「…次は門脇くん」





彼は経験が浅いしストライドには向いていないだろうと思ってた
それでも、持ってる。ストライドに一番必要なものを…





*°＊*°＊*°＊*°＊
───半年前





歩「はあ…はあ…は〜
こんなに大変なんですね…ストライドって」





私はストライド部を去り方南も去る数日前に、彼と会った





貴「…」





歩「あ…綺麗な芥川…」





貴「…？」





歩「と思ったら女の方！？すみませんっ！」





貴「ふ…ふふふ…」





歩「え！笑って…笑われてしまいました…」





貴「ううん。そんな間違えかたされるの初めてだな」





歩「…！貴女はストライド部マネージャーの…！」





貴「…違うよ。もう違う」





歩「…」





貴「ストライド…やるの？」





歩「はい…将棋部と兼部で…」





貴「私が言うのも変かな…」





歩「え…？」





貴「ありがとう」





歩「…いえ。自分で乗り掛かったふねですから！」





貴「これ、よかったら使って。
ストレッチの方法や捻挫を和らげるのに最適な方法、オススメのスプレーとか書いてあるから」





歩「あ…挿し絵まで…
しかも捻挫しやすい部員の名前まで」





貴「そこは消していいよ
あとこれ、他の部員には内緒だぞ？
そして…みんなを宜しく頼む」





歩「…あ、あの！少しお話よろしい…！あれ？いない…」




*°＊*°＊*°＊*°＊



観客「わー！！」





桜井「門脇先輩GO！」





歩「ﾊｱﾊｱ…苦しい…離されてる…」





貴「頑張って…」





歩「…芥川が見える…」





桜井「…っ。ダメ…門脇先輩…諦めないで！」





歩「不知火さんと約束したのに…
ダメなんだ…俺が敵う相手なんかじゃ…
さすがですね。
貴女は確かに勝利の女神だ───」





伶治「もう勝負あったみたいだ」





桜井「…藤原くん、セット！」





伶治「じゃ、先に失礼するね」





貴「勝ったか…」





ここから追い上げるのは無理だ





誰もがそう確信しただろう





観客「れいじー！！」





伶治「ハ…ハ…西星スト部も好きだよ…か
いつも君は不意打ちに僕を喜ばせてくれる。そして、君のために僕は走れる…!」





静馬「…来てます…後ろ…！」





伶治「ッ…!?」





貴「！」





パーンッ





『勝ったのは、西星学園アンカー！諏訪伶治です！』





勝った…勝ったけど、後ろから来た彼が恐ろしくて





私は一人立ち尽くしていた

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