騎士の俺がヴァンパイアになった理由 YG

第18話　女王の騎士　YG ページ23

ユンギside





YG「おい待てよ！！」





腕をつかんだけど盛大に振り払われた
なんか訳わかんないこと言いながらマリアは走ってく

でも唯一、はっきり聞き取れたこと
それは





マリア「もう全部要らない！！！！」





彼女はそう言って持っていた武器を全部投げ捨てて
城を出て行った

すぐに騎士にあとを追わせた俺は
弓矢の練習場で馬鹿みたいに突っ立ってるエルフの前に立った



いいか俺、落ち着け…





YG「ふーっ…

　…………マリアに何を言った？」





そうだいいぞ俺
落ち着いて話すんだ





TH「彼女があんまりにも頑固で言うことを聞かないから

　俺が言った」

YG「何をだ？」

TH「その頑固な考えを捨てろ

　君は何にもわかってない

　騎士たちの気持ちも、自分のこともって」

YG「……………………」

TH「彼女は焦りすぎてる。女王としてもっと考えて」

YG「わかってないのはお前だ、エルフ」





ダメだ
落ち着けない

思いっきり胸元を掴んでしまった





YG「やっぱりお前らは冷徹で冷ややかだ

　人の気持ちなんて考えてない」

TH「俺は彼女の為を思って言ったんだ

　女王はお城で守られるべきだって」


YG「彼女がどんな気持ちで戦いに行こうとしてるのか

　考えたことがあるのか

　なんであそこまで戦いに執着するのか

　…考えたことがあるのか」


TH「……俺は間違ってない

　女王は守らなきゃいけない

　この国の宝だろ？」


YG「あぁ誰も間違っちゃいない

　女王が城で守られるべきだってことも

　マリアが大切な家族である騎士を守るために

　戦いに行こうとしていることも

　誰も何も間違っちゃいない」





テヒョンがうつむいたから
俺は手を離してやった





YG「お前がマリアに直接言ったことなんて

　あいつは十分理解してる

　それでも彼女が戦いに行きたがる理由、お前に分かるか？」

TH「わからないよ。全く」


YG「あぁ俺も全く分からない。

　でも俺はお前よりマリアと一緒に生きてきた

　今マリアに一番近い男になったのは俺だ

　やっとマリアの騎士になれた

　俺はマリアの事を一番よく知ってる

　そんな俺からお前に一つ教えてやる」





行かないと
マリアを探しに





YG「アイツは今まで、何かを途中で投げ捨てる事なんてしなかった」





俺はマリアが投げ捨てて行った武器をテヒョンに押し付けた





YG「マリアの見たことない一面を引き出してくれてどうもありがとな」





ホントに感謝してるよ

俺は城を出てマリアを探した








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