あたしに、キスして。【YG】

第13話　気づきませんように ページ27

マリアside







YG「あーおめでとうございます俺達(以下酔)」

マリア「んー？(以下酔)」

YG「同棲」






ソファーに座って足を投げ出してるユンギ
テレビを見つめながら、右手にはお酒の缶

上下黒のスウェットで、相変わらずぺらっぺらの体

両耳には小さい黒のリングピアスが一つずつ






マリア「あー…。おめでとうございます笑」

YG「どうですか。高校の時の同級生が彼氏になった気分は」

マリア「んー…。いや、普通に楽しいけど」

YG「けど？」

マリア「なんかちょっと大人っぽくなったなーって。ユンギ」

YG「そりゃまぁそうだろ。年とったってだけだけど」






ユンギはそういうと
お酒の缶を片手に持ったまま、大きく伸びをした

そして何気なく、あたしの肩に腕をまわしてきた
でも、触れない

後ろのソファーの背もたれに腕をのっけてるだけ








やっぱり恋人だと、そういうことになるんだろうか？







マリア「っていうかお酒強いんだね」

YG「ん？まぁ別に普通ぐらい？」






ヘラヘラって笑った顔が
何となく酔ってる感じがして面白い

高校時代には見れなかった顔だ




そして、つくづく微妙な距離だ

隣同士で座ってるけど、別に手をつないだりとか
脚がくっついてるとかそういうことでもない



もちろん、高校の時も今も
キスをしたことはない




…なんだか、キスをしたら

一線を越えてしまって
もう戻れない気がして…





こうやって楽しい時間を過ごせるなら
前に進まなくてもいいんじゃないか
友達のままでいいんじゃないか
とか、思ったりする

だって、それ以上になったら
恋人になったら




永遠の愛を誓うか
永遠の別れを誓うか




そのどちらかになってしまいそうで





YG「お前何固まってんだよ笑」





ぼーっと考え事してたら
いつの間にか距離が縮まってて
あたしの左肩にはユンギの華奢で大きい手が触れてた






マリア「ぼーっとしてただけ」

YG「寝るか？それとも緊張？笑」






真横から顔を覗きこまれてる

もうユンギの右手にはお酒の缶はなかった






マリア「あんたが腕回してくるからでしょ？」


YG「え？なに、マジで緊張してる？

　俺がキスしてくるかもって？笑」


マリア「前にも同じようなことあったけどその時はどうだったっけ？？？」







ユンギはカラ笑いをして髪をぼさぼさにして
立ち上がった






YG「やーめろよなー笑

　…俺、たばこすってくるわ笑」






そういって、換気扇の方に歩いて行った








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