たんぺんしう【VV T】 (ページ5)

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You視点
　君からの視線はバレバレで、蜂蜜を溶かしたかのようなその瞳で見つめている。
　ちょっと小首を傾げて可愛い子ぶれば、頬を赤らめて全身から好きだと感じさせる。
　わからないように隠してるつもりなんだろうけど、全く隠れていなくって少しばかり可愛く思う。
　
　君はたまたますれ違ったと思ってるかもだけど、たまたまなんかじゃなくて。
　私の方が前から君のことを好きだったなんて知らないだろうけど。
　少しでも君の目に入りたくてすれ違ってたんだよ。
　でもね、私からは告白してあげない。
　君の口から、私のことが好きって言わせたいんだ。

『やんは好きなことかいないの？』

　なんてわかりきったことを聞いてみると、びっくりした顔で気持ちを隠してるんだかわからない表情をする。

「なんで？」
『なんとなく』

　他愛もない言葉のキャッチボール。
　一瞬息を吸って、こちらを今まで以上に真剣な目で見つめてくる。

「好きだよA 俺とおんなじ気持ちでしょ？」

　なんて、私の気持ちもバレてたなんてね。

　