夜明けを導く光 3【鬼滅の刃】

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無一郎side

…誰かに似てるんだ

僕はこの人を前から知っているのかな


「召し上がれ！｣

お口に合うか分からないけど…と、この人は心配そうに言った

「！…美味しい｣

口に入れた瞬間、ふわっと広がる大根の甘みと味噌のいい香り

心配する必要は無いんじゃないかなってくらい

「本当？良かった！｣

懐かしい味…これも僕の"大切だったもの"の一つなのかな

「…｣

再び大根を口に入れながら横目でその人を見る

顔つき、髪の感じ…いや、声かな

昔、僕の近くにいたはずの誰かに似ている



食事を終えて、僕たちは二人で折り紙を始めた

「わぁ…器用だね、上手！｣

この人はいつの間にか自分の手を止めて、僕が紙飛行機を折っているのを楽しそうに見ている


『…あら、上手に作れたわね…』


前にも、こんな風に僕を見てくれてた人が居たのかなって

温かい腕に抱かれているような…妙な懐かしさを感じる

そんな事を考えているうちに僕は紙飛行機を作り終え、窓の外を目掛けて飛ばした

「えっ、外に飛ばしちゃっていいの？｣

「大丈夫だよ。ほら｣

窓の外から戻ってきた紙飛行機を片手で捕まえた

それを見るなり、この人はまた瞳を輝かせて

「凄い、戻ってきた！私も出来るかな…えいっ｣

そう言って、自分で折った紙飛行機を僕と同じように飛ばした

筋がいい…人の動きを見てすぐ自分のものにできた

そういえばこの人、実は強いんだっけ？どうだったかな…

「うわ、遠くに行っちゃった｣

その紙飛行機は戻っては来ず、風に乗って遠くへ消えた

「あーあ…」

「紙はたくさんあるんだから、また作ればいいよ｣

僕が言うと、その人は眉を下げて笑った

「うん…！そうだね｣

まるで陽の光のようだ

この人がいるだけで心が温かくなって気持ちが安らぐ

…その一方で、浮き立つような変な気持ちにもなる

切なさが混じったような、この感情の高ぶりは何なんだろう

もっと一緒に居たい…この人には死んで欲しくないなぁ


なんでこんなことを考えてしまうんだろう

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