肆-3 ページ3
「やっぱりすぐ止んだ」
「…本当だ」
雨が止んだことを確認すると、無一郎君は私に背中を向けてしゃがんだ
「ほら、乗って」
「えっ…」
どういうこと?背中に…?
戸惑っていると、無一郎君が私の腕を掴んで思い切り引き寄せ、一気に私は背中におぶわれた
「む、無一郎君…降ろして、自力で歩けるから…!重いでしょ…?」
私がそう言うと、無一郎君はため息をついた
「僕は君を抱えきれないほど弱くないよ。頭を打ってるんだから大人しくしてて」
「…うん」
あぁ、温かい…
心地よい揺れにだんだん瞼が重くなってきて
「…無理したら駄目だからね」
その言葉を聞く前に私は眠りについてしまった
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
しのぶside
警備を終えて蝶屋敷に帰ろうとすると、途中で数人の影が見えた
近づいてみると、それはAさんを背負った時透君と四人の隠の方々だった
「時透様!やっぱり俺たちが運びま…」
「煩いなぁ、怪我人の前で騒ぐなんて非常識じゃない?君たちの仕事は一体何なわけ。自覚ある?」
「ヒッ…」
あらあら、あの子はまた…
私は時透君の元へ距離を詰めた
「時透君、隠には優しくしましょうね」
「あ…えっと…胡蝶、さん」
「まぁ、Aさんが珍しく大怪我のようですね」
頭には包帯が巻かれていて、意識も無いみたいだった
「蝶屋敷はすぐそこですから後は任せてください。時透君はもう帰っ…」
「…」
私がそう言うと、時透君は眉間に皺を寄せて唇をきゅっと結んだ
若干の変化だから、一目見た感じはいつもの表情と変わらないのだけれど
「…?」
これは…どういう感情なのでしょうか?
「では時透君、このまま運んでくれますか?」
私がそう言うと、小さく頷いていつもの表情に戻った
何なんでしょう…?
「…あぁ」
もしかしてAさんの事がお気に入りなのかしら…?
意外と可愛らしい所があるんですね…ふふ
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みやび(プロフ) - ずっとずっと待ってるので大丈夫ですよ!🎀 (4月14日 22時) (レス) @page50 id: 6d224a7bcb (このIDを非表示/違反報告)
みるくここあ(プロフ) - ゆっくりで大丈夫ですよ!更新されたら皆また読みに戻ってきますよ✨✨ (4月12日 1時) (レス) @page50 id: 4db17488dc (このIDを非表示/違反報告)
みやびりじゅ(プロフ) - みやびさん» なかなか更新できておらず申し訳ありません😢読んでくださってありがとうございます! (1月30日 23時) (レス) id: 00121ded6d (このIDを非表示/違反報告)
みやび(プロフ) - 久々の投稿ありがとうございます🥰 (1月24日 0時) (レス) @page47 id: a01fa8ae4e (このIDを非表示/違反報告)
愛っち(プロフ) - みやびりじゅさん» 仕方ありませんね💦来年の楽しみに取っておきますね!頑張ってください (11月8日 18時) (レス) id: d531dd11f3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:みやびりじゅ | 作成日時:2023年7月9日 21時