検索窓
今日:5 hit、昨日:4 hit、合計:1,878 hit

193.通話 ページ3

キキョウは兄・ナツメとしばらく会話を続けていた。


「…そうなんだ、君が元気そうで何よりだよ」


「…はい、お兄様もそちらで楽しく学校生活を送られているようで安心いたしました。
あの…もし宜しければ一度こちらにもいらしてください」


「うん、スケジュールを合わせてそちらに行きたいと考えていたんだ。
久しぶりに弟と話せて嬉しかったよキキョウ」


「私も嬉しゅうございます…!」


「ああ、ダリアお嬢様や、旦那様や奥様にもよろしくな。
ところでキキョウ…少し聞きたいことがあるのだけれど」


「はい、そう致します…お話とは一体…?」


「ダリアお嬢様について気になることがあったんだ。
マロニエさんというバイオリニスト…知っているかい?」


「マロニエさん…はい、もちろんでございます。
ダリアお嬢様の憧れのバイオリニストの方で…」


「そのマロニエさんの息子さん…ローレルという少年が話題に上がっているんだ。
彼は父親の影響でピアニストになったそうだが…」


「そうなんですね…ああ、思い出しました!
私、先日ダリアお嬢様と町の音楽コンクールに参加いたしました。
その時にその方も参加されていました」


「そうだったのか…そのローレルにはある噂が広がっているんだ。
どうやら、ダリアお嬢様と交友を深めたいという内容なんだ」


キキョウは驚いた。


「え、ダリアお嬢様と…それは誠なのですかお兄様?
しかし、なぜお兄様がそのような情報を…」


「僕のクラスに音楽業界に詳しい友達がいるんだ。
彼から聞いた話でね…その音楽コンクールがきっかけみたいだと聞いたよ。
お嬢様の演奏に感動したそうだよ」


「…なるほど、そうでございましたか」


「だから、君の耳に一応入れておいた方が良いかなと思ってね。
今回連絡したのもそれが理由だよ。
じゃあ、そろそろ切るね…また時間があるときに連絡するよ」


ナツメはそう言って通話を終えた。

194.偶然→←192.キキョウの兄



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 8.6/10 (5 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
2人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:きょうちゃん | 作成日時:2020年3月31日 18時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。