ミスミと魔法の町5【とんがりボウシ】 (ページ20)

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208.ユニコーンページ20

それから数日間、ミスミはふしぎ花のおまじないを続けた。

ようやく、始めてから3日目…

「すごいっ…これが赤いハートの花…！」

森の入り口にはピンク色のハートとリボンのついた花がなっていた。

「出来た…！
これをあの木に…」

ミスミは早速赤いハートの花を持って森の奥に進んだ。

「あの…この花を持ってきました！」

ミスミは白い木に向けて花を掲げた。

すると…目の前が光りだした。

「…え？」

いつの間にか、ミスミの前には白い生き物が立っていた。

「…愛の力を持った花、育ててくれてありがとう。
私はユニコーン、愛の使者だ」

「ゆ、ユニコーンってあの…？
本当に居るんだ…！」

ユニコーンは立派な角とたてがみを持っていた。

そしてミスミを見て微笑んだ。

「…どうやら少女にも大切な者がいるようだな。
その花咲く前のその種に少しの水をまいてやろう…」

「…？」

「愛の花を捧げた少女よ…心通わせる少年をここに連れてくるのだ。
本当に、一緒に居たいと思う少年を…」

そう言うとユニコーンは姿を消した。

ミスミは言われたことを思い出した。

「心通わせる少年…一緒に居たい少年…
その人をここに…？」

ミスミの頭には二人の少年が浮かんだ。

「ソルベ…ひょうた…
私は、決めなくちゃいけないんだ…」

ミスミは考えながら学生寮に戻った。