番外編：キキョウの役目(前編) ページ10
それはまだ、とある執事が小さい時の話。
キキョウの家族は代々ダリアの屋敷に使える一家である。
父・ミズキと母・アヤメとの間にキキョウは生まれた。
ミズキは屋敷の執事で、主に運転手をしている。
アヤメはダリアの母・アリッサムに仕えているメイド。
キキョウの祖父・ヤナギは当主の先代からこの屋敷に仕えており、使用人の統括している。
祖母・ツゲはグロリオサの母親代わりで、ダリアの面倒も見てきたベテランだ。
そしてキキョウは兄・ナツメと一緒に執事になるための教育を受けていた。
幼い頃からマナーやたしなみの勉強をしたり、執事としての在り方を学んでいた。
それを吸収するのが早かったキキョウはわずか5歳でダリアの専属執事に選ばれた。
ダリアとは同い年で、相性がいいだろうという理由であった。
実際に二人は相性がよく、ダリアの両親からの信頼も厚かった。
「キキョウ、貴方は今日からダリアお嬢様の専属執事になるのよ。
これは重要な役目…貴方ならきっとできるわ」
アヤメがキキョウに告げた。
「専属執事…？それは…？」
「つまり貴方はお嬢様のお側でお守りするのよ」
「旦那様と奥様もお前を高く評価していらっしゃる。
頑張るんだぞキキョウ」
「…はい、お父様、お母様！」
そしてキキョウはお嬢様の所に行った。
「ダリアお嬢様、初めまして。
私はキキョウと申します…よろしくお願いいたします」
するとダリアは言った。
「キキョウ？」
「ダリア、この子は今日から貴女の側でお世話してくれるのよ」
一緒に居たアリッサムが教えた。
「キキョウ、よろしくね！」
ダリアは微笑んだ。
キキョウはその時のダリアの笑顔が眩しかった…
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 2人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：きょうちゃん | 作成日時：2020年3月31日 18時
