146.父の声 ページ6
ミスミとソルベは外からの音にハッとした。
「え、今の音は…」
「岩が崩れた音だと思う。
でも…まだここまでに岩がいくつもあるんだろう」
「ひょうた達が、やってくれたのかな…」
「…だと良いな。
この岩まで壊すのは、かなり時間が掛かるだろうな…」
ソルベは表情を曇らせた。
「大丈夫、きっとここから出られるよね…」
「…ああ、今は信じるしかないな。
そうだ、さっきの夢の話なんだけど…」
「…?」
「ボク、君が眠ってから誰かの声が聞こえたんだ。
『ミスミを守ってくれ』って…」
「私の名前を…?」
「そう、若い男性の声だった気がする。
そして、これは組織の仕業だ…って」
「組織?…若い男性?」
「おそらく君の夢と関係があるんだと思う。
きっと今回のこともそうだ」
「組織…クロユリさんはその仲間なのかな?
そういえば、夢の後に…私も聴き覚えのある声を聞いた気がする…」
「男性の声をかい?
君の知ってる人とか?」
そこでミスミはハッとした。
あの夢の終わりに聞いた声、あの優しくて安心するような…
「もしかして…お父さんかもしれない!」
「君のお父さん?
あの大魔法使いだった…ブローディアさんか?」
「うん…ソルベが聞いたのもきっとお父さんだよ。
でも、どうしてお父さんが…?」
「きっとミスミに危険を知らせてくれているんじゃないか?
お父さんは、君を守ろうと呼びかけているのかもしれないな」
「お父さん…」
「一体その組織は何をしようとしてるんだろうな…」
二人は考えた。
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作者名:きょうちゃん | 作成日時:2019年9月10日 17時