144.深まる謎 ページ4
その頃、ミスミは夢を見ていた。
それはまた例の研究室だった。
『…それで、上手くいったのか?』
『はい、先生。全て計画通りです』
『それは何よりだ。さて、あいつにこの魔術を試す時が来たようだ』
そこにはあの“先生”と呼ばれている男性と、今度は別の女性が居た。
『…ロベリア君、クロユリ君の方は上手くやってるかね?』
『ええ、それは問題ないです』
ロベリアと呼ばれた女性は40代くらいだろうか。
確かにこの“先生”はクロユリと言った。
ここには居ないため確かではないが、やはりあのクロユリさんのことではないか。
するとそこへ若い男性がやってきた。
『先生、準備が整いました』
『そうか、いよいよこの時が来たな…』
その“先生”は一つ瓶を持って部屋を出た。
『これであいつ…ブローディアのやつは終わりだ!』
そこで夢が途切れた。
ミスミはハッと目が覚めた。
目の前にはネッシーがすやすやと眠っていた。
「…ミスミ、起きたのか」
「ソルベ…」
「どうしたんだ?夢でも見たのかい?」
「うん…実は…」
ミスミはこれまでに見た夢のことを彼に話した。
ソルベはしっかり聞いてくれた。
「…なるほどな。
その人がお父さんの名前を言ったんだな」
「そうなの…それも気になるし、クロユリさんもやっぱりこの夢に関わっているかもしれないんだ」
「もしかしたら、今回のことも何かあるのかもしれないな」
ミスミは不安そうに俯いた。
「…大丈夫だよミスミ、この困難を一緒に乗り切ろう」
ソルベはミスミの手をそっと握った。
「ありがとう…ソルベ」
ミスミはホッとして一息ついた。
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作者名:きょうちゃん | 作成日時:2019年9月10日 17時