Juri side ページ8
時間にルーズな俺が、15分も前に待合せ場所につくなんて、今日は嵐にでもなるのかもしれない。
そんな予想は絶対ハズレだ！と言わんばかりに、雲一つない空に夕焼けのオレンジ色が鮮やかに映っている。
Aちゃんとの待合せは事務所の近くの公園。
俺はキャップとマスクで顔を隠しながら、何して待ってればいいかわからずに公園の中をうろうろしてみる。
公園の大きさや遊具の感じが、去年花火をしたAちゃん家の近くの公園に似ていて、
あの日、線香花火を長持ちさせようと真剣な目をしたAちゃんの横顔が頭をよぎる。
あの時、こんな風に日常を共有しあったり、イルミネーションを見にいくようになれるなんて、
夢にも思ってなかったなぁ。
「樹くん？早すぎない？」
後ろからかわいい声に呼び止められる。
振り返ると、チェックのマフラーをぐるぐるまきにして、大きめのメガネにお団子頭で微笑むAちゃん。
大きめのコートに、これまた大きめのショルダーバックを抱えている。
変装してるけど、オーラが丸出しなんだけど。
「まさか樹くんが先にきてるとは思わなかった。遅刻魔ってお兄ちゃんに聞いてるんだけど？」
「まぁ、たしかにそういう時代もあったかな」
「なにそれ。ま、心を入れ替えたようで、よろしい！」
そう言うと、Aちゃんはにこっと笑って俺の隣に立つ。
「行こ！もうすぐ暗くなるから、人が少ないうちに」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 377人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
紗々(プロフ) - スノ姫さん» ありがとうございます！コメントいただけて嬉しいです。続きも頑張って書きますので引き続き楽しんでいただけたら嬉しいです！ (2021年9月23日 17時) (
レス) @page11 id: 836bb7a317 (このIDを非表示/違反報告)
スノ姫 - いい話しですね。兄に憧れてジャニーズに入ったり、モデルの事務所に入ったりといいですよね。続き待ってます (2021年9月22日 1時) (レス) @page1 id: 61c754dd4c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：紗々 | 作成日時：2021年9月21日 20時
