Juri side ページ22
もっとばしっ！と決める予定だったのに、いざ話し始めたら、最後急に不安になって。
よえーな、俺。
弱気なままAちゃんの様子を伺うと、
俺が話すのをじっと聞いていたAちゃんの黒い瞳がより大きくなり、潤んでいくのがわかる。
「全然、だめじゃない。…私も、樹くんのことが、好き。
もっと、近くにいたいって、思ってた。
…よろしくお願いします」
ゆっくりと言葉を選んで、軽くお辞儀をするAちゃん。
まじで？
「…めちゃくちゃ嬉しいんだけど」
思わず声が漏れて、にやける口元を片手で隠す。
嫌われてはないはず、とは思ってはいたけど、ただ切磋琢磨する同業の友人だと思われている可能性も捨てきれてなかった俺。
告白の緊張でバクバク波打っていた心臓が、嬉しさでより跳ねていくのを感じる。
ってことは、両思いじゃん…！
恥ずかしそうにするAちゃんが小動物みたいでめちゃくちゃかわいくて、抱きしめたい衝動に駆られながら、
自分がライブ終わりで汗だくだということを激しく後悔した。
「シャワー浴びてこなかったの、いまめっちゃ後悔してる」
「え？なんで？」
「Aちゃんのこと、抱きしめたいのに、嫌でしょ。こんな汗だく」
「…なんだ、そんなこと？」
ふふ、と笑うと、次の瞬間、Aちゃんは俺の胸の中にいた。
「全然、嫌じゃないよ。…私も、こうしたかった」
なにこの子。実は甘えたさんなの？
今まで見たことがないデレに困惑しながら、ライブの興奮とは違った意味で体温が上がっていくのを感じる。
「ずっと大事にする」
鼻をくすぐるAちゃんのシャンプーの匂いと女の子特有の柔らかい体にさらにドキドキしながら、彼女の背中にぎゅっと手を回す。
「痛いよ、樹くん」なんてAちゃんの笑い声も無視して、俺は精一杯の喜びと愛おしさで彼女を抱きしめた。
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紗々(プロフ) - スノ姫さん» ありがとうございます！コメントいただけて嬉しいです。続きも頑張って書きますので引き続き楽しんでいただけたら嬉しいです！ (2021年9月23日 17時) (
レス) @page11 id: 836bb7a317 (このIDを非表示/違反報告)
スノ姫 - いい話しですね。兄に憧れてジャニーズに入ったり、モデルの事務所に入ったりといいですよね。続き待ってます (2021年9月22日 1時) (レス) @page1 id: 61c754dd4c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：紗々 | 作成日時：2021年9月21日 20時
