隣と隣の隣 (ページ50)

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亮平side

ペンギンの赤ちゃんはAちゃんが言う通りすごくふわふわしているのが見るだけでわかった。

「ペンギンの赤ちゃんの雑学はある？」

亮「えーと…ペンギンの赤ちゃんって3ヶ月くらいで大人と同じ羽根に生え変わるから、このふわふわな姿を見れる時期って1ヶ月くらいしかない…とかかな。」

「へぇー！！じゃあめっちゃレアだ！！今日誘ってくれてありがとう！」

亮「そんなに喜んでもらえるなんて、俺も嬉しい。」

しばらくペンギンの赤ちゃんの可愛さを堪能し、次のところへ移動する。

たっぷり水族館を楽しんで最後にお土産屋さんに入る。

「ここ、結構ショップ大きいねー。」

亮「そうだね、色々あるね。」

「あ、見て見て！ペンギン！」

そう言ってペンギンのぬいぐるみを手に取るAちゃん。

「凄い手触りいいよ！！」

ほら触ってみて、と言われて触ると、本当にずっと触っていたくなるくらいふわふわで柔らかい。

亮「あ、赤ちゃんもあるよ。」

Aちゃんが持っているぬいぐるみの隣に赤ちゃんペンギンのぬいぐるみを見つけて手に取り、Aちゃんに見せる。

赤ちゃんペンギンのぬいぐるみは大人ペンギンのものよりも柔らかくてくたっとしている。
そして同じくらいふわふわ。

「わ！めっちゃかわいい！！あれ？さっき見てきたのって実はぬいぐるみだった？」

亮「ははっ、確かにさっき見てきた子そっくりだよね。」

めっちゃかわいいこと言うじゃん、とドキドキした気持ちを隠すためにAちゃんに赤ちゃんペンギンのぬいぐるみを渡して少し視線を逸らした。

「私、今日の記念にこの子買うね！」

亮「記念？」

「うん、初めて赤ちゃんペンギン見れた記念と、亮平くんと初めてのお出かけの記念！」

亮「そっか、じゃあ俺にプレゼントさせて？」

「え！？」

亮「そしたら初めてのプレゼントって記念も増えるかなって。」

「チケットも買ってもらっちゃったし、それは悪いよ！」

亮「えー？いいからいいから。」

そう言ってそっとAちゃんの手から赤ちゃんペンギンのぬいぐるみを取る。

亮「他にも何か見る？」

「ううん、もう大丈夫だけど…。」

俺の手にあるぬいぐるみを見て何か言いたそうなAちゃんに背を向けてレジへ。

ずっと俺の後ろで申し訳なさそうにしているAちゃんも可愛いな、なんて思っている俺は、もう相当Aちゃんのことが好きだなと自覚した。