隣と隣の隣 (ページ44)

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亮平side

亮「仕事中にごめんね？」

涼「良いよ、来てくれて嬉しいし。ランチのコースどうだった？」

亮「めっちゃ美味しかった！！久しぶりにこんなに豪華なもの食べた！って感じですごい幸せになったよ！！」

涼「それは良かった。デザートも楽しんで。」

亮「うん、いただくね！」

デザートは可愛らしいケーキがメインのプレートだった。

亮「舘様、やばいよ！デザートもめっちゃ美味しい！！」

俺がそう伝えるとそんなに褒めてもらえると照れるな、なんて嬉しそうに微笑んでくれて、やっぱり一番ロイヤルなのは他でもない、オーナーの舘様だな、と思った。

涼「ところで、相談って？もしかしてAちゃんのこと？」

俺が食べ終わったのを見計らって聞いてくれた舘様に頷く。

亮「うん、今度ご飯食べに行こうって誘ったんだけど、その前にちょっとお出かけもしたいなって思って…。」

涼「いいね、デートじゃん。」

亮「え！？デートって…まぁ…そう…だけど…。」

デートとはっきり言われると少し照れてしまう。

亮「それでね、ご飯の前に出かけるところ決めてから誘った方がいいかなって思ってさ、色々考えてるんだけど…Aちゃんって何が好きなのかな？って…舘様に聞きたくて…。」

涼「うーん…。そうだね…。Aちゃんってさ、実はすっごい仕事人なんだよね。がむしゃらに仕事するってタイプではないんだけど、本当にパンが好きで、いつでもパンのこと考えてる。ここで働いてくれてた時も、季節によって変わる料理に合わせてパンも少しずつ変えて焼いてくれてね。それもこの店がここまでお客さんに愛される要因の一つなんだ。もちろん今日のパンもAちゃんが焼いてくれたものだよ。」

亮「あ、そうか。そういえばそう言ってたよね。料理とすごく合ってて美味しかった。」

涼「でしょ？本当に良い職人さんと出会えたなって思ってる。だからパン以外の好きなものってあんまりわからないんだよね。Aちゃんと話すことのほとんどが料理やパンについてだから。」

亮「そっか…。」

涼「参考になんなくてごめんね。阿部はどこかAちゃんと行きたいところとかないの？」

亮「定番だと思うんだけど、水族館とか…映画とか？でも映画って好きなジャンルとかあるだろうし、時間のことも考えなきゃだしどうかな…って思ってる…。」