隣と隣の隣 (ページ5)

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心配ページ5

照side

「…ってことがあってね！びっくりした！」

休日明けに少しテンション高く隣の隣の阿部さんにばったり会ったことを話すA。

どうやら隣の隣の阿部さんは若くて真面目そうな好青年だったらしい。

照「じゃあ隣の隣は男なんだ？逆側も男って言ってなかった？」

「うん、逆隣も男の人だよ？」

照「そのマンション男ばっかなの？」

「いや？若い女の子とすれ違うこともあるし、ファミリーで入れる部屋もあるみたいだからそんなことないよ？駐輪場にちっちゃい自転車があってなんかめっちゃ可愛いーってなるの！」

照「気をつけろよ？」

「何に？」

照「Aが、ってか306の阿部が若い女性だってバレたんだし、変なトラブルに巻き込まれないように気を付けろってこと。」

「若い女性って…私もう30だからね？大丈夫だよ！」

笑いながらそう言うA。

もう30とよく言うが、見た目は全く30に見えない。

めちゃくちゃ童顔ってわけでもないけど、実年齢よりは下に見られる見た目をしている。

ご時世的にマスクをしているせいもあって何なら大学生と思われてもおかしくないかもしれないと俺は思っている。

本人に言うと無い無いと全力で否定してくるから言わないけど。

性格的なことも含めて、時々俺より二歳も年上だってことを忘れるくらいだ。

何より本人が全く警戒していない感じなのが一番心配になるんだよな。

照「何でもいいから、気を付けて。」

俺はそう言って仕事を続ける。

「わかったよ、照は心配性だなぁ！」

ニコニコ笑いながら言うAに、人の気も知らないで…と思う。

まぁ、Aは鈍感だし、俺の気持ち言ってないから知らなくて当然なんだけどね。