隣と隣の隣 (ページ22)

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油断したページ22

目が覚めたのは翌日の朝だった。

身体は少し気怠いままだけど、熱も下がったし、お腹すいたなと思うくらいには回復したみたいだ。

「良かった。」

明日の仕事は行けそうだなと思いながらベッドを降りる。
冷蔵庫を開けると照が買ってきてくれたゼリーとスポーツドリンクがあり、テーブルには照が買ってきてくれたレトルトのお粥と風邪薬がある。

本当にありがたいなと噛み締めながら、お粥とゼリーを食べ、薬を飲んだ。
スポーツドリンクをベッドヘッドに置いてベッドに座る。

もう寝れる気がしない。

新しいパンのレシピでも考えようかな？

でもゆっくり休めって言ったよね？って照に怒られちゃうかな。

そんなことを考えながら、とりあえずシャワーでも浴びようと立ち上がる。

熱のせいで汗をかいてたのもあり、シャワーを浴びてさっぱりするといつもよりも気持ち良いと感じる。
普段なら後回しにしがちなドライヤーも、風邪をぶり返してはいけないのですぐにやる。

テーブルの上にはもう一つお粥があるけど、お粥では明日働くための力が出ない気もするし、他の物も食べられる気持ちになってきたからコンビニにでも行こうと思い、ラフな服装に着替え、最低限の身支度を整える。

コンビニはスマホ決済でいいからスマホとエコバッグ。

まだ少し気怠い状態で、日傘を持つのが面倒だから、日焼け止めを塗って帽子を被る。

外に出るとやはり暑い。

夏だからしょうがないけど、今日だけは曇っていて欲しかったと思いながらコンビニを目指す。

徒歩8分くらいの距離にあるコンビニが今日はいつもより遠く感じる。

やっぱりやめておけば良かったかも、と後悔するくらいには体力を削られた。

コンビニの中は涼しくて、少しだけ回復できるような気持ちになる。

さっぱりとしたもので栄養の取れるもの…と考え、サラダうどんを買った。

寒いくらいに冷房が効いているコンビニから出ると、外は余計に暑く感じる。
完全に回復したわけではない今の私にとって、この暑さは相当しんどくて、コンビニと家の中間地点くらいで気分が悪くなり、目の前が真っ白になった。

あーあ、油断した…。

貧血だ…と思って民家の外塀に手をついてしゃがみ込む。

少しすれば視界も戻るだろうとは思うけど、しゃがんだ場所も直射日光が当たっていて全く気分が良くならない。