隣と隣の隣 (ページ19)

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やってしまったページ19

週の真ん中水曜日。

いつもと同じ時間に目が覚めた私。

でも、いつもと違う体のだるさ。

そして…目の前には照。

私のベッドに背を預けて俯く形で眠っている。

「照…。」

起き上がろうとしながら小さく呼ぶと照はすぐに起きて私を見ると、ちょっと焦ったように起き上がるのを支えてくれた。

照「A、大丈夫？」

「うーん…。」

ぱっと答えられない私の額にそっと手を当てる照。

照「まだ下がってないね。まだ熱い。今日はゆっくり休んで。」

「ごめん…照、迷惑かけて…。」

照「気にしなくて良いから。明日は店も休みだし、今日一日くらい俺一人でもなんとかなるから。」

「うん…。」

照が一人でお店を開けられるということについては心配していない。
働き始めの頃はパンなんて作ったこともなくて、宮館君が、男手があった方が便利でしょ？パン作りも厳しく鍛えてやって、なんて言って連れて来てくれたのが照だった。

でも照は器用で、向上心も強くて、すぐにいろんなパンを任せられるほどになった。

だからそこは心配していない。

照「昨日買ってきたスポーツドリンクとか、冷蔵庫に入ってるから。これ、一本だけ、持ってきた。」

そう言って冷蔵庫からスポーツドリンクを一本だけ私のベッドヘッドに置いてくれた。

「いろいろありがとね？今度お礼する。」

照「お礼とか良いって。お前が元気になってくれたらそれでいい。ってか体調悪い時くらい頼れよ。」

いつも頼ってばかりだと思うんだけど…と思いながらもうん、と頷く。

照「じゃあ俺は仕事行くから。なんかあったら連絡して。」

鍵はドアポストに入れておくから、と言って照は私の頭にポンッと優しく触れ、笑って帰って行った。

ドアが閉まる音、ガチャリと鍵のかかる音、その後にチャリンッとドアポストに鍵が落ちる音。
その音を最後に部屋が静かになる。

早く治さないと…と私は照が置いてくれたスポーツドリンクを飲もうとそれを見ると、ペットボトルの結露でベッドヘッドが濡れてしまわないようにハンカチが敷いてあった。

照って本当細かいところまで気が付くな…と感心してしまう。