隣の席のアイドルと

33. ページ33

こうして 私が小島健の彼女になってから数ヶ月が経った。




例の 健が私にチラシを渡しながら衝撃発言をしてきたあの公演に参戦する当日。




念願の夏松竹。




赤の0番を背負う誠也くんが見れる。




もちろん当たり前に自名義やし、コネなんてそんなもん1ミリも使わずちゃんと当てた。




声出したらあかんし、うちわも持ったらあかんから ペンラだけやけど、双眼鏡も持参。




楽しむ気満々。





.





初っ端からセトリ良すぎやろ。




自然に体が動いて、フリ踊れるし




ほんまに楽しすぎて。




やけど、公演中に健に気づかれて。




あいつ、気づいた瞬間にめちゃくちゃ満面の笑みでこっちを見てきた。




こっち見るな、って目線で見つめたけど、
わちゃわちゃした曲の最中に大晴にまで報告しに行って
大晴も私を見て満面の笑み。




やけど健は私のペンライトが赤やってことに気がついたらしく、自分のメンカラの衣装ヒラヒラさせてアピールしてきよる。




変えるわけないやろ。




誠也くんのファンとしてここに来てるんやから。





.





ゲームコーナーの合間、自分の出番じゃない時にガン見してきた健。




こっち見てんな、ちゃんとやれ と目線で訴えれば、またわろてるわ。






久々にアイドルしてる健を見て、
あー…ちゃんとアイドルやったんやぁ、って
わかってたけど実感して。




ほんまにAぇ! groupもマッタンもBoysbeも無所の子らもみんながみんなほんまにすごい。




誠也くんにファンサももらえて幸せやった。




真っ赤のペンライト、手もげるんちゃうかってくらい振りまくったもんな。




自力で勝ち取ったファンサやもん。




ほんまに嬉しい。

34.→←32.

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す