112号室 ページ12
現在19時。
仕事してるから迎えにこい、と言われたのでチャイムを鳴らす。
数秒後、眼鏡をかけた爆豪さんがでてきた。
『お、お待たせしました』
「遅え」
『眼鏡とマスク……変装ですか？』
「一応」
行くぞ、と歩き始めたので私も横に並んで歩く。
バレないように、ちらっと爆豪さんの姿を盗み見る。
せっかくの美形なのに隠してしまうなんてちょっと勿体ないなと思った。
まあ人気のヒーローが私みたいなのと歩いてたら、確実にファンの怒りをかうだろうからありがたくはあるんだけど。
部屋着から着替えたのか、昼間の格好とは違っていた。
黒を基調としたちょっとラフめな装いに、ちょっとゴツめなシルバーアクセサリーが爆豪さんの魅力をさらに引き立てていてかっこいい。
『あ、ここです』
「お。……入るか」
近所から数十分歩いた途中の狭い路地に佇む、昔ながらのラーメン屋さん。
前、絵の題材を探しに散歩しに行った時に偶然見つけたのだ。
『ここ、ラーメン屋さんなんですけど激辛坦々麺がもう凄くて…………あ、これです』
食券機で激辛坦々麺のチケットを二枚買って、オヤジさんに「1番やばいやつで！」と渡す。
「おい、金だすなや」
『まあまあ、お昼のお礼ってことで。私もぜひ食べてみてほしかったんで、気に入ったら通ってください』
「いいから出させろや！！」
「おぉ〜、Aちゃん嬉しいこと言ってくれるねぇ」
『あ、オヤジさんの作るものは最高なんで』
お待ちど〜と、運ばれてきたのは真っ赤な坦々麺二つ。
赤すぎてスープがマグマみたいだ。
普通の人なら一口で死ぬとオヤジさんが言うほどの超激辛坦々麺だ。
さっきまで騒いでいた爆豪さんも、運ばれてきた坦々麺を見てさすがに黙る。
『思ったよりやばいでしょう？色々回ってきましたが、ここが一番やばいです。ささ、どうぞどうぞ』
「足りなかったら追加できるからね〜」
一口麺をすする爆豪さん。
二人でニヤニヤしながら見守る。
「…………うめぇ」
『でしょ！！』
「一番辛ぇわ」
『そのわりにはわりと大丈夫そうですけど……すごいですね、辛いの追加します？』
「おう、追加で」
「あいよ」
『どうです？気に入りました？』
「悪くねぇ」
良かった、気に入ってもらえたらしい。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 345人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ヒロアカ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
JILL(プロフ) - 紺。＠水分補給さん» コメントありがとうございます。今週末頑張って更新しようと思いますのでまた見に来てください。 (2021年9月29日 1時) (
レス) id: 974b1e0c8b (このIDを非表示/違反報告)
紺。＠水分補給(プロフ) - めちゃ面白いです！めちゃめちゃきゅんきゅんしました！無理のない範囲で更新頑張ってください！！応援してます！ (2021年9月23日 12時) (レス) @page14 id: 8be1c911bb (このIDを非表示/違反報告)
JILL(プロフ) - 今夜、1.2話更新予定です。 (2021年9月16日 14時) (レス) id: 974b1e0c8b (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：JILL | 作成日時：2021年9月16日 14時
