３ー１０ ページ31
「翔ちゃん」
ソファに寝転んでる翔ちゃんを揺さぶる。
「んー」
まだ翔ちゃんは動かなくて、面倒くさい声を出した。
「風邪引くって」
「ん」
翔ちゃんが身につけてるのはブランケットだけ。
両手を広げた翔ちゃんに、俺は覆いかぶさる。
「重いって、雅紀」
「あったかくして、ってことじゃないの？」
「違うって。俺を抱えてベッド行け、って言ってんの」
「無理だよ。翔ちゃん重いもん」
「なんだとぉ」
二人でクスクス笑って、キスして。
「起こして」
翔ちゃんを起こして、キスして。
「お風呂にする？それとも俺にする？」
翔ちゃんを抱きしめれば、翔ちゃんも俺を抱きしめてくれた。
「雅紀にする」
「すごい即答」
「ダメ？」
「俺も翔ちゃんにする」
「だろうな」
「なんで？」
「おまえの・・・こんなになってる」
「うふふ、翔ちゃん、わかっちゃった？」
「わかるだろ！」
「ここでもう一回、する？」
「やだ！」
翔ちゃん、即答。
「雅紀が・・・意地悪になるから、やだ」
あ、アレね。
散々潤くんを餌に意地悪したから。
でも、翔ちゃんも燃え上がってくれたと思うんだけど。
「んじゃ、行こっか」
「うわっ」
俺は翔ちゃんを抱えた。
「持てるじゃないか！」
「あ、やっぱ重い」
「わっ」
落とすフリをすれば、必死に俺に掴まる翔ちゃん。
「へへ、嘘」
「焦せらせるなよ」
「離すわけないじゃん。俺が、翔ちゃんを」
翔ちゃんが嫌だって言っても。
「離さない」
抱えてる足を抱きしめた。
「雅紀・・・」
きゅ、って翔ちゃんがしがみつく。
「俺も雅紀を離さないから」
「うん」
俺は翔ちゃんを抱えて歩き出した。
終わり
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作者名：佐音 芽衣 | 作成日時：2014年7月17日 22時
