俺の隣のすとーかーちゃん番外編２ (ページ28)

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でも。

「え？」

皆が帰る事になって、何故か翔ちゃんは帰ろうとしなくて。
大野さんと二宮さんと帰っていった潤くんの、不安そうな目が思い出された。

「翔ちゃん、帰らないの？」

「帰って欲しいの？」

「そんな事ないけど・・・」

「雅紀、おいで」

翔ちゃんは俺をソファーに座らせた。
翔ちゃんの冷ややかな視線が、俺を射抜く。

これから翔ちゃんの追求が始まるんだ・・・。

そう思って翔ちゃんをじっと見つめてると。
冷たかった翔ちゃんの瞳が、不意に揺らいだ。
そして、翔ちゃんは俺を抱きしめる。

「雅紀」

「翔ちゃん」

「わかってる。わかってるんだ。でも」

翔ちゃんは俺を抱きしめてる腕に力を込めた。

「俺は自信がないからな」

はーって翔ちゃんはため息をついた。

「正直、松本に勝てる要素がない」

俺は翔ちゃんの背中に腕を回す。

「俺が、翔ちゃんを好きになったのに？」

「あの時、雅紀がここから引っ越すって言った時、覚えてる？」

「うん」

「雅紀が俺の前からいなくなるって思ったら、カラダを使っても雅紀を繋ぎ止めておきたかったんだ」

俺は笑った。

「何、それ？俺、翔ちゃんのカラダにつられたの？」

翔ちゃんは俺を見た。

「違うの？」

「違う・・・かな？でも、違わないかも？」

「どっちだよ」