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「俺の言う事、聞いてなかった？」
「う、ううん、そんなことないよ」
「そうか」
笑ってるけど、怖いよ翔ちゃん！
「はい、雅紀」
翔ちゃんは俺に本を渡した。
え？何で？
そう思っているうちに、翔ちゃんの膝枕はクッションに変わった。
翔ちゃんは寝転んでる俺を見下ろし、微笑んだ。
オトコの顔。
俺の心臓が鳴る。
翔ちゃんの顔が俺の胸に乗せられ、俺はドキドキという心臓の音が翔ちゃんに聞こえないかとハラハラした。
「重くないか？」
「うん、大丈夫だよ」
「じゃ、読んで」
「え？」
ふう、って翔ちゃんのため息が聞こえた。
「やっぱり聞いてなかったんだろ」
「・・・ごめん」
翔ちゃんは俺の胸を触って、そのうち同じ所を触り出した。
「翔ちゃん」
俺の非難の声は、翔ちゃんには届かなかったようだ。
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作者名：佐音 芽衣 | 作成日時：2014年7月17日 22時
