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１−６ ページ6
駅について、女の子二人を見送って。
「かわいい子たちだったな。明るくて優しそうで」
翔ちゃんが、ポツリと呟く。
まさか、好きになっちゃった、とか。
「翔ちゃん」
「雅紀はあの子たちとずっと一緒にいるんだな」
翔ちゃんはずっとその方向を見ていて。
「翔ちゃん？」
俺が見てるのに気づいたのか。
「ほら、行くぞ。雅紀」
翔ちゃんは俺の袖を引っ張って歩いた。
翔ちゃんの顔が見たいのに。
翔ちゃんの後ろ姿しか見えなくて。
俺は翔ちゃんの手を振りほどいた。
「雅紀？」
翔ちゃんは振り向く。
俺に振りほどかれて、戸惑ってる。
「翔ちゃん、俺・・・」
言葉を飲み込む。
「手なんて引かないでも大丈夫、だから」
俺は無理に笑顔を作った。
「そうか」
翔ちゃんは俺を待たずに、ゆっくりと歩き出した。
その言葉にちょっと寂しさがこもってる気がしたのは、気のせいなのかな？
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作者名：佐音 芽衣 | 作成日時：2013年9月27日 21時
