第31話 ページ33
「それで?こっちに来てみた感想は?」
ベッドの上に座った少女は怪しげな笑いを浮かべながら空中に問いかける。
返事はかえってこない。
「どうだったの?」
あらら、拗ねちゃいましたか…。と呟いて少女は後ろを振り向く。
「…」
小さな声が聞こえた。しかし聞き取ることはできない。
「あら、ちゃんと聞こえなかったわ。もっと大きな声でしゃべってくれる?」
ほんの少しの沈黙。
「…悪いけど、何のために俺がお前と入れ替わったかが分かんなくなっちまった」
少女は視線を下の方に移す。
「そう」
双方が声を発しなかったのは一瞬だったはずだが、まるで永遠のように感じられた。
「…最初の威勢はどこへやら…ね」
それで?私にどうしてほしいの?と少女はベッドから飛び降りながら言う。
そして何もないはずの空間─彼女の足元─に顔を寄せる。
「…頼む。このゲームをなめていた俺が悪かった」
それはそうだと少女は思った。
このリアル実況に重要なのは腕っぷしじゃない。ただのゲームならばそれでなんとかなるんだろうけど、ここでは考えて行動しないと命を落とす危険性がある。
「代わってくれ。これは“頭脳”が必要なんだ。頭脳が必要ないところなんてなかったんだ」
はぁ…と少女はため息をついた。いずれこうなることは分かっていたのだが、思っていたよりも早かった。
「いいわ。でも貴方のことはちゃんと皆には説明する」
わざと1ヶ所を避けるようにして少女は部屋を出ていった。
さあ、やりますか。
そう自分に言い聞かせるようにして少女は髪を結び、眼鏡をかけた。
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HAPPY NEW YEAR!ですね!
この作品で最初以外、初めて登場した駄作者ディアナです。
今年もどうぞこの作品をよろしくお願いします!
2019年も不定期更新になると思いますが、見てくれると嬉しいです!
その内番外編作りたいな…。
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一月鈴華(プロフ) - 更新早い…。頑張ってください。面白かったです。 (2018年11月16日 13時) (レス) id: c26eb87106 (このIDを非表示/違反報告)
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