恋のハザードレベル【ビルド短編２】 (ページ10)

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寒い朝には話をしよう【石動惣一】ページ10

「……寒い…」

ぶるっと体を震わせ
二階の階段をゆっくり降り
パジャマのまま

マスター、石動惣一のカフェへと向かう

まだ早朝だし、誰も起きていないだろうとガチャリとドアを開けると
ほんのりとコーヒーの香りが鼻についた
カウンターに目を向けると
朝早くからコーヒーを作る石動惣一の姿があった

「おっ、早いなー。おはよう」

「……おは、よ…。」

「まだ5時だぞ？もう少し寝てたら？」

「…寒くて寝れなくなっちゃった」

ぎゅうっとAは惣一に抱きつくと
優しく抱きしめ返し、頭を撫でてくれる

「そっか、寝れなくなったならしょうがないな。んじゃあ今あったかい飲み物入れてやるからそこ座りな？」

Aはうなずきカウンターに座ると
惣一はマグカップを取りだし
何かを作り始める

くあ、とあくびをし
カウンターに伏せる

「…おいおい、眠いなら本当寝てこいよ？」

「………眠くないもん。」

「俺から見たら眠そうだけどな。」

「…じゃあ、なんかお話して？」

「えー？…俺今時の若い子の話にはついていけないからさ～…」

うーんと悩ましげな表情を浮かべ
マグカップにホットミルクをそそぐ
すると惣一は「あ」
と声を漏らし口を開いた

「そうだ、Aあれからどう？記憶なんか思い出した？」

「記憶…？…うん、少しだけなら」

「どんな記憶だった？」

「……スターク…」

「！」ピクリと反応するが気づかれぬよう「ふーん」と問い返す

「あとね……ナイトローグも思い出したよ？…相変わらず2人の正体はわからないままだけど…。」

「正体はわからなかったんだ？そっか…。はいホットミルク」

ホットミルクがはいったマグカップを
Aの前に置くと
「ありがとう」と言いマグカップを持ち温かいホットミルクを口に運ぶ

「……どんなやつだった？スタークって奴とナイトローグって奴。」

惣一はコーヒーを
作りながらAに問いかけた

「…ナイトローグは…よくわからなかったけど…スタークって人はどんな人かわかったよ。」

「へえ？どんな感じー？」

「なんか変だけど…私的に見たら優しい人だった。…たまにからかってきたりして…」

「敵なのに優しいって」

ふっと笑みを浮かべて
作ったコーヒーを口に運ぶ

「それで…なんだかスターク…誰かに似た感じがして…」

「……ふうん」

うーんと
難しい表情を浮かべる
それを見た惣一はポンッと
Aの頭に手を乗せる

「わかんないなら無理して考えな「！わかった」？」