恋のハザードレベル【ビルド短編２】 (ページ41)

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みーたんに嫉妬！？【猿渡一海】ページ41

「まさかみーたんに会えるとはなー。東都きて本当よかったぜ。」

幸せそうな表情を浮かべスマホの待ち受け画面を見つめる猿渡
そんな兄の姿を見て妹のAは
はあ、と深いため息ついた

「…兄さんニヤニヤして気持ち悪い」

「お前そりゃニヤつくだろ。だってあのみーたんに会えたんだぞ、こんな幸せなことはない」

兄のみーたんオタクにも困ったものだと思い歩く
さっきから話題はみーたんから離れないし、話を逸らしてもみーたん、みーたんで。私の目見ずに画面のみーちゃんだけ見てばっかりだし。

兄さんのバカ。

「それでな、みーたんは「もういい！」？」

Aは堪忍袋の尾が切れたのか
ズカズカと先に行ってしまう

「なんだよ、もういいって。何怒ってんだよ」

「うるさい、怒ってない。ついてこないで触らないで」

「完全に怒ってんじゃねーかよ。…あ、もしかしてみーたんに嫉妬してんのか？」

その言葉を聞いた瞬間ピタリとAの足が止まり猿渡の方を向いた

「…るさい！もう一海のバカ！バカ！！」

そう言い放ち走って行ってしまう

「おい！待て！！」

「ついてこないでバカ！」

「わるかった、俺がわるかったから止まれ！」

「一海なんか嫌い！」

何やってるんだろ私

良い歳して兄さんに嫉妬して

情けないし恥ずかしい…

「…もう、来ないでったら！一海なんか大嫌い！」

ああ、絶対嫌われた

本当はすごく大好きなのに

大嫌いと言ってしまった。

ごめんね、兄さん…

「…俺はお前が好きだ」

「！」

足を止め道端に立ち尽くした

「たとえお前が俺を大嫌いになろうがなんだろうが俺はお前が…」

「好きだ。」

その瞬間後ろからそっと優しく抱きしめられた

「…嘘。みーちゃんの方が好きでしょ」

「…みーたんも確かに好きだがな俺はお前が一番なんだよ」

「…」

「比べ物にならないくらいお前が好きで大事なんだ」

「本当に？」

「当たり前だろうが。俺は世界で一番誰よりもお前を愛してるよ」

「…なんかベタだね」

「お前…んなこと言うな「でも嬉しい。」！」

「ありがとう、一海兄さん」

「…おう。」

そっと抱きしめていた腕を離した瞬間
Aは勢い良く猿渡の胸に飛び込んだ

「えへへ…兄さん。」

「なんだ？」

優しく笑みを浮かべ頭を撫でた
時
Aの顔が近づき
チュッと猿渡の唇にAの唇が触れた

「大好きだよ」

「大好きじゃ足りねーな」

「へ？」

猿渡は耳元で
「愛してる、だろ？」と
囁き唇を重ねた