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貴方が来てくれた【猿渡一海】 ページ29

「………はぁ、はぁ…」

街中にいたスマッシュに見つかり
Aは息を切らし必死に逃げていた

足を止めれば
捕まるいや、殺される

そう思い走り続ける

人気のない路地裏につき
そこに身を隠す
スマッシュは追ってくる様子はなく

どうやら上手く逃れられたらしい。

ほっと一息つきその場に崩れ落ちる
荒くなる息を必死に整え
ガタガタと痙攣を起こした足を必死に抑える

「………っ……」

苦しげな表情を浮かべ
左手薬指にはめられた兄、猿渡一海にもらったシルバーリングを見つめる

「…一海…にい、さん…」


兄の名を呼び
左手をギュッとにぎった

その時だった
さっきとは違うスマッシュが現れ
こちらへと向かってくる

Aは逃げようとするが足が動かない
歩み寄ってくるスマッシュを見ていることしかできない
声を出そうとしても出ず助けを呼ぶこともできない

あぁ、もうダメかもしれない


…兄さん…

スマッシュが武器を振り下ろし
Aは諦め目を閉じた


が、攻撃は飛んでこなかった

……?

ゆっくり目を開けると
そこには武器を受け止めAの前に立つ兄、猿渡一海の姿があった


「…!!」

「危ねえ…危機一髪だな…」


武器を弾き返し
ものすごい威力の
パンチをスマッシュにくらわした

猿渡の攻撃を受けたスマッシュは
一撃で倒され、消えてしまった

「…よしっ…て、やっぱり痛えな…」

殴った手をブンブンと振り
苦笑いする

「…………」

Aは泣きそうな表情をしながら
猿渡を見つめる
すると猿渡がAの元に駆け寄りしゃがみこむ

「っと…大丈夫か、A。何かされたりしなかったか?」

「………」

「A……?」



Aはうつむいた顔を上げると目に涙を浮かべて
猿渡に抱きついた

あまりの突然の出来事で
猿渡は目を見開き驚いた表情を浮かべた

「一海…兄さん…兄さん……、怖かったよ…兄さん…」

兄の胸で泣き崩れた
まるで幼き頃のAのように
そんな姿を見た猿渡はふっと優しい笑みを浮かべ頭を優しく撫でる

「…よしよし、もう大丈夫だから泣くな…」

可愛いからつい【終】→←生意気な子猫ちゃん【石動惣一】(甘)



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幽々華(プロフ) - 灯 【更新停止】さん» ですよね!?笑笑 (2021年5月2日 17時) (レス) id: 1e7a7481f9 (このIDを非表示/違反報告)
灯 【更新停止】(プロフ) - 幽々華さん» まさかまさかのキバのあの方です (笑) (2021年4月30日 22時) (レス) id: ef2b39bc95 (このIDを非表示/違反報告)
幽々華(プロフ) - まさかあの歯の浮くような言葉をつらつらと喋る一海はまさか……!?笑 (2021年4月30日 15時) (レス) id: 1e7a7481f9 (このIDを非表示/違反報告)
灯 【たまに更新】(プロフ) - killerハリケーンさん» 遅くなって申し訳ありません!恋の心火の方に書かせていただきました…気に入ってもらえたら嬉しいです…! (2018年3月17日 23時) (レス) id: 0fef4b1de5 (このIDを非表示/違反報告)
killerハリケーン(プロフ) - 灯 【たまに更新】さん» はい (2018年3月12日 7時) (レス) id: 07ace89041 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2017年12月23日 7時

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