特殊捜査部隊【BTS】３

JGfile ページ15

JG「そっちはどうですか」

「ダメ。生存者無し…。そっちは」

JG「……生存者…確認できない。」

「…そう…。」

JG「この辺りが１番被害が甚大みたいですね」

「…ひどすぎる…。」









全身汚れながらこの人は
変わり果てた街を眺めながら
唇を噛み締めていた




雨に濡れる俺達と

雨に打ち付けられるたくさんの遺体

早く、この人達を屋根のある場所に

移してあげたい…









救助隊「お疲れ様です！こちらの状況は」

「お疲れ様。ここ一帯はほぼ全滅。生存者も確認できない。早く遺体を回収してあげて」

救助隊「了解しました。ここは我々に任せてまだ手の届いてない場所へお願いします！」

JG「あとどの辺りが残ってますか？」

救助隊「ここから西へ２キロ先にある展望台付近です。」

JG「了解。ではここはお願いします」









数えきれない程の遺体が
俺達に「行くな」「助けてくれ」と
ひき止めてくるかのような感覚になりながらも


俺達はそっと手を合わせ
その場を離れるしかなかった









この人も冷静に振る舞ってはいるけど
時々泣きそうに見えるのは
たぶん、気のせいなんかじゃない





RM「聞こえるか？今ふたりはどこにいる？」

「こちらA。大通りから離れ今から展望台付近に向かう。」

RM「了解。少し気になる情報が入った。」

JG「何ですか」

RM「派遣医師からの情報なんだが、不審な人物が展望台方面に向かったという情報だ。それと展望台方面にはVが向かった。二人も行ってくれ」

JG,A「了解」





不審な人物って…

まさかテヒョニヒョンじゃないよね？









雨がますますひどくなって

俺達はずぶ濡れになりながら

走り続けた


足元には倒れる遺体

ごめんなさいと謝りながら

進むしか無くて





小さく展望台が見えてきて
深夜の雨の中にポツンと立っていた







やっと見えてきたと思った次の瞬間









地鳴りのような音が迫ってきて

小さく見えていたはずの展望台は

大きく赤く盛り上がり




展望台は爆破された









立ち止まり頭が真っ白になる






え…。ちょっと待って…







待って…… 待ってよ…








やだ。





やだよ…






だって……あそこには…





あそこには…









「……テ……テ…？」



JG「嘘……だ。嘘…」









テヒョニ…ヒョン……？

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