共 犯 者 ‐BTS‐３

砂 ページ6

俺達があの町から消えてから
１ヶ月が過ぎていた。


俺達は年齢を偽って仕事に就き、
Aは高齢者のグループホームに、俺はこの町にたった1軒のガソリンスタンドで働いていた。



みんな『若者が足りない』と言って
俺達二人を歓迎してくれている。



たまにテレビのニュースを見て
俺達の事を放送していないか見てみるけど、未成年という事もあって顔写真を公開できないで捜索しているみたいだ。


今頃…家族は…友達は…
心配してるんだろうな…。




「なーに深刻な顔してんの？」

JG「…いや。みんな心配してるんだろうなって思って。｣





目の前の海を眺めながら
砂浜の砂を手でサラサラ意味も無く触る。



「後悔すんなら最初から来んな!!｣


JG「っぶっ…。おい…。｣





Aに砂を足で蹴られて
砂が俺に降りかかる。





｢今からでも帰ればいいじゃん。帰ってみんなを安心させれば!?…私はもう後戻りなんかできない。｣





急にキレだすA。
またか？






JG「生理近いんでしょ。｣

｢っ…。ジョングクは私の母親か!!｣

JG「別に今更恥ずかしがること無いって。いい加減馴れたら？」

｢……うるさい。バカ。｣







沈黙になって
海をただ眺める。




｢……ごめん。家族の事心配するのは…当たり前なのに。｣


JG「…俺は後悔してないから。だから帰れなんて言わないで。｣


｢…うん。もう言わない。｣

JG「よかった。｣









ニュースではAの事を
殺人未遂容疑って言ってた。

きっと…ユナって子が記憶を取り戻したんだ。

この事…Aは知ってんのかな。
教えたらAは喜ぶ？
それとも取り乱す？


ユナって子が自分のせいで
ああなったって自分を責めてたよな…。






JG「ねぇ。あのさ。｣

｢んー？」

JG「ユナって子…記憶…戻ったんじゃないかな。｣

｢……え？」







俺を見て固まるA。

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