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『眠れないの?』
「それはこっちのセリフでしょ」
マグカップを持っていない手は彼の大きな綺麗な手に包まれて自由をなくす。
『､､､ドヨン』
「んー？」
隣に来た肩に頭を預けて擦り寄ると反対側の手が伸びてきてまだ口をつけていないマグカップが彼の手によってテーブルに置かれた。
「､､､何でもいいから身体冷やさないで」
再び伸びてきた腕は私を包むように回されて肩からずり落ちた毛布をかけ直していく
『､､､寝なよって言わないの』
「言って欲しいの？」
そう、なのだろうか。よく分からない
自分が自分に逆らっていく感情は誰にでもあるのだろうか
眠いのに、寝たくない
お腹が空くのに、食べたくない
触れたいのに、近寄りたくない
気にして欲しいのに、構ってほしくない
今朝の自分を忘れたのだろうか。あんなにしてまで会いたかった彼をこんな風に思うなんて
『､､､私ってめんどくさいよね』
「､､､うん。もう慣れたよ」
否定しないのが彼らしい
『さっきまで飲みたかったのに、もう飲みたくないの』
テーブルに置かれた抹茶ラテの表面が濃い緑で覆われているのがテレビの光でよく分かる
「､､､じゃあ明日温め直して飲めばいいんじゃない？」
『ん、眠たいのに寝たくないの』
「どうせ明後日、いや明日?も休みだし寝たくなったら寝れば?」
『､､､これ観たかったはずなのに観るのが面倒なの』
「無理して観なくていいよ、嫌々観られてもこの作品だって迷惑なんじゃない?」
『､､､ねぇ』
「んー？」
私の髪の毛を巻き付けた彼の指は何故だか切なく見えた、部屋の雰囲気なのか彼の儚い血色のせいなのか
『､､､構わないでって強く言ったけど先に寝ちゃって寂しかった』
ごめんね
「あー、気にしてないから。いつもの事でしょ」
で、どうすんの
視線が久しぶりに合ったかと思うと軽く広げられた腕の中に身体が吸い寄せられるように入って行く
『､､､私ってやっぱり面倒だよね』
「知っててAを選んだから、もう諦めてる」
今更そんなこと気にするなよ
口ではそんなこと言ってるのに背中をさする手は優しくて、訳もなく涙が溢れてくる
『､､､好き』
「ん、わかってる。」
ずっとこの中に沈みたいと思ってしまう
彼の暖かい腕の中で一生を終えたいと思ってしまう
・
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ともともも(プロフ) - メリッサさん» ありがとうございます！似たような雰囲気の話ばかりになっていて悩んでいたのですごく嬉しいです、普通に泣いてます。これからも頑張ります！ (2022年12月20日 14時) (
レス) id: 01f45e17e6 (このIDを非表示/違反報告)
メリッサ(プロフ) - ともとももさんの書かれる細かくて優しくて、その場面が思い浮かぶ文がとっても好きです！ (2022年12月11日 2時) (レス) @page30 id: 078328f077 (このIDを非表示/違反報告)
ともともも(プロフ) - moon_shineさん» いつもコメントありがとうございます。最早我々の中では季語に認定されてますよね（）どんどん寒くなって行くのでこれからの黄仁俊が楽しみで仕方ありません（涎） (2022年10月26日 0時) (レス) @page13 id: 01f45e17e6 (このIDを非表示/違反報告)
moon_shine(プロフ) - 冬の黄仁俊は季語になってもおかしくない。私も昨日のロンジュンにやられました。ともとももさん、いつも素敵なお話をありがとうございます。 (2022年10月15日 7時) (レス) @page7 id: db76fff5c7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ともともも | 作成日時：2022年10月15日 1時
