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駅の改札を当然のように抜けたロンジュンは同じように出てきた私の顔を見ると頑なに出さなかった手を振って私を呼び寄せる。
「隣、歩けば？」
『、、、うん、そうだね』
見慣れた道は私へのタイムリミットを知らせる
徒歩7分
それが決め手で契約した我が家はロンジュンも一緒に探してくれた部屋の一つだった。
「元気だった?」
『うん、ロンジュンは？』
「まぁ、俺は普通だったかな」
続かない会話はお互いの様子を伺い合っているからなのか、疲弊した脚で歩く道と同じとは思えない程あっという間に着いてしまったアパートの前で2人して立ち止まる。
何かを言うのも言われるのも怖い
離れたくない、と縋りつくことはしたく無かった。それでもと未練がましく願う自分が滑稽に思えて肩の力が抜ける。
もう一生会えないのなら、そんな風に哀れな姿を見せてもいいかと。そんな姿でも彼の脳内に残ればいいな、と思ってしまっていた。
「、、、俺はさ」
話し出したロンジュンは相変わらず私の目をしっかりと見つめたままで、それを逸らすことを許されない気がして自身を奮い立たせて真っ直ぐ見つめ返す。
「別にAが何を好きでも、何にお金を使っても構わないと思うよ。それはAのお金だし、」
でもさ、
そう続けられた声は先を言葉にすることを躊躇っているようだった。
その先が想像つかなくて落ち着かない手をロンジュンと同じくポケットに入れると、そこにあるのは昼間のアレ
それを掌に入れて握ってみると彼の声を思い出してしまった。
［こんな時の姿もそっくりなんて］
ゆっくり出した手を彼に向かって差し出すと、ロンジュンは少しびっくりしたように私の顔を見て泣きそうな顔で眉間に皺を寄せた。
暖かく包まれる決して大きくはない彼の手にやっぱり涙が溢れてしまった。
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ともともも(プロフ) - メリッサさん» ありがとうございます！似たような雰囲気の話ばかりになっていて悩んでいたのですごく嬉しいです、普通に泣いてます。これからも頑張ります！ (2022年12月20日 14時) (
レス) id: 01f45e17e6 (このIDを非表示/違反報告)
メリッサ(プロフ) - ともとももさんの書かれる細かくて優しくて、その場面が思い浮かぶ文がとっても好きです！ (2022年12月11日 2時) (レス) @page30 id: 078328f077 (このIDを非表示/違反報告)
ともともも(プロフ) - moon_shineさん» いつもコメントありがとうございます。最早我々の中では季語に認定されてますよね（）どんどん寒くなって行くのでこれからの黄仁俊が楽しみで仕方ありません（涎） (2022年10月26日 0時) (レス) @page13 id: 01f45e17e6 (このIDを非表示/違反報告)
moon_shine(プロフ) - 冬の黄仁俊は季語になってもおかしくない。私も昨日のロンジュンにやられました。ともとももさん、いつも素敵なお話をありがとうございます。 (2022年10月15日 7時) (レス) @page7 id: db76fff5c7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ともともも | 作成日時：2022年10月15日 1時
