微睡を誘う人［CL］2022.11.22 ページ25
「Aー。」
おーい
その声を聞いてなんとなく自分が寝てしまっていた事に気づいた。
あぁ、起きなきゃ
そう思って目を開けると左側からひょっこり綺麗な顔が私を覗く
「あ、起きた」
にこにこ
嬉しそうに私を見てくるから勘違いしてしまう
『､､､ジェノって私の彼氏だっけ？』
「ん？違うよ?」
まだ寝ぼけてるね？
なんて言いながらお水を差し出してくれる人間が彼氏じゃないなら何と言うのだろうか
『ありがと、』
いつのまにか飲み会の最中に壁にもたれて寝てしまったらしい。寝起きは喉が乾くからいつも水を飲むんだけど、今日は冷たい物は受け付けない日で肩をすくめながらそれを飲んでいると左側の気配が無くなってしまった。
あ、ジェノどっか行った。
少し寂しく思いながら右前に見える机に前のめりになって座る甘えるべき背中に頭を乗せ、騒がしくも聞き慣れた声達に耳を傾けた。
「それでさっ！俺は何も思ってないのにマクヒョンが、」
「やー！ドンヒョガ！それはお前があの時、」
きゃはははは、
頭を預けた背中からの振動と超音波のような笑い声は同時に私の元に届いた。
楽しそうだな。
まぁでも、その彼らの楽しそうな雰囲気は嫌いじゃない。どれだけ騒がしくてもどこか落ち着くこの空間が好きで仕方がないのだ。
「あれ？Aまた寝ちゃった?」
目を閉じて雰囲気を感じていると再び聞こえてきた声にゆっくり目を開ける。
「あ、起きてた。ほい、これ飲みな?」
熱いから気をつけて
そう言って渡されたのは、湯呑みのコップで
『、、、ジェノ。私達付き合おっか?』
「彼氏の背中に全身預けながらそれ言うの?」
最大限に垂れ下がった目に癒やしどころではない感情が溢れ出して思わず抱きつきたくなる。
「はいはい、とりあえずこれ膝に掛けときな」
折り曲げられた脚に優しく乗ってきたのは彼の物ではないジャケット。でも嫌と言うほど見覚えのあるソレから香る匂いに無意識に預けていた背中に顔を擦り寄せる。
『うむ、私は振られたみたいだね』
そう言うとジェノの嬉しそうな笑い声がまた聞こえた。
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ともともも(プロフ) - メリッサさん» ありがとうございます！似たような雰囲気の話ばかりになっていて悩んでいたのですごく嬉しいです、普通に泣いてます。これからも頑張ります！ (2022年12月20日 14時) (
レス) id: 01f45e17e6 (このIDを非表示/違反報告)
メリッサ(プロフ) - ともとももさんの書かれる細かくて優しくて、その場面が思い浮かぶ文がとっても好きです！ (2022年12月11日 2時) (レス) @page30 id: 078328f077 (このIDを非表示/違反報告)
ともともも(プロフ) - moon_shineさん» いつもコメントありがとうございます。最早我々の中では季語に認定されてますよね（）どんどん寒くなって行くのでこれからの黄仁俊が楽しみで仕方ありません（涎） (2022年10月26日 0時) (レス) @page13 id: 01f45e17e6 (このIDを非表示/違反報告)
moon_shine(プロフ) - 冬の黄仁俊は季語になってもおかしくない。私も昨日のロンジュンにやられました。ともとももさん、いつも素敵なお話をありがとうございます。 (2022年10月15日 7時) (レス) @page7 id: db76fff5c7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ともともも | 作成日時：2022年10月15日 1時
