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『、、、ねぇドンヒョク』
「んー？」
彼の手がTシャツの裾から入って来て横腹を撫でる
『私、あの時よりもっと重い女になってるって言ったらさ。どうする？』
だってあの当時は自分しか知らない彼だった。
それなのにあんなに嫉妬して苦しくなって離れたのに自分以外を知っているドンヒョクを受け入れられるのかな
「Aさ、」
『、、、なに？』
自分の泣きそうな声に笑える、こんな弱気な声が出たのは本当に久しぶりだった。
「知ってる?俺が今めちゃくちゃ嫉妬してること」
『っ、なんで？』
「俺の知ってるAはこんな状況でこんなに話したりしないし当たり前みたいに腕を回したりしなかったじゃん」
「あんなに恥ずかしがって目も合わせてくれなかったくせにさ」
どこで覚えて来たんだよ、ムカつく
その言葉に口元が緩んだ
『ん、色んな人と付き合ったよ』
色んな人と付き合った。沢山経験して沢山知って沢山辛い思いもしたけど
『でも別れた日にあんなに泣いたのはドンヒョクだけだった。』
「、、、ん。そっか」
耳付近に居たドンヒョクの顔は私の肩に埋められている。腰を這っていた手はしっかりと背中に回されて苦しいくらいに力が込められる
『、、、なに。泣いてんの?』
肩に広がる独特の温かさに彼が泣いていることが分かった。
「、、、うるさい。」
そう言ってまた沈黙が続く
かすかに聞こえて来た声に私の目からも温かいモノが流れ落ちた
「なんか、好き過ぎて死にそう」
お互い数時間前までこんな感情になるなんて思っていなかった
それなのに偶然会って共鳴しあった気持ちは何倍にも膨れ上がって弾ける
これは久しぶりに出会った一時的な感情なのかな？そうも思えるけど
他の人には感じなかった感情がここにはあって、目の前の彼が愛おしくて仕方なくなった。
『ドンヒョクっ』
大好きだよ、なんて安い言葉じゃ表せなくて
もっと深くて暗くて重い気持ちが伝わってほしくて力一杯抱きしめ返す
別にこの先に別れがまた訪れてもいいよ
一生幸せなハッピーエンドなんて無いって、もう気づいちゃったから
でもお互いがお互いを求めている間だけは2人の心が満たされればいいな。って
目を潤ませたまま唇の震えを止めようと固く閉じる彼の頬に手を添えて、その唇をこじ開けた。
真夜中色に響かせて
END.
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ともともも(プロフ) - ろみさん» コメントありがとうございます！沢山褒めていただいて何回も読んでニヤニヤしております。深夜に読みたくなる話がコンセプトなので分かって頂けて凄く嬉しいです！今後も頑張ります！ (2022年8月14日 12時) (
レス) id: 01f45e17e6 (このIDを非表示/違反報告)
ともともも(プロフ) - moon_shineさん» コメントありがとうございます！テイルさんの雰囲気はすごく試行錯誤したのでそう言って頂けて凄く嬉しいです。何回も読んで頂けるなんて本当に有難いです。こらからも頑張ります！ (2022年8月14日 12時) (レス) @page34 id: 01f45e17e6 (このIDを非表示/違反報告)
ろみ - 「灰緑よりも良質な眠りで包んで」拝読しました。すっごく素敵なお話でドキドキしながら楽しませていただきました。ともとももさんの作品の文体・雰囲気の美しさが好きです。深夜に読むとムードが増していいなと思っています。今後の更新も楽しみにしていますね！ (2022年8月13日 1時) (レス) @page23 id: 30195dc62b (このIDを非表示/違反報告)
moon_shine(プロフ) - ムンさんの空気感？雰囲気？が解釈一致でなんか、、、すごくリアルにムンさんを感じてしまいきゅんきゅんしました。いつもとても素敵なお話をありがとうございます。また何回も読ませて頂きます。好きです。 (2022年8月9日 12時) (レス) @page16 id: db76fff5c7 (このIDを非表示/違反報告)
ともともも(プロフ) - ふるさん» コメントありがとうございます！どちらも思い入れのある話なので好きと言って頂けて頭抱えて喜んでいます。またテンくんの作品にも挑戦しようと思っているので覗きに来てください！更新頑張ります、これからもよろしくお願いします！ (2022年8月7日 0時) (レス) id: 01f45e17e6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ともともも | 作成日時：2022年6月4日 12時
