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「ありがとう、」
髪を乾かして、ぼんやりとテレビを眺めていると蒸気と共に彼が近寄ってきた。
『ん、使い方わかった?』
「うん、大丈夫だったよ」
そう言った彼は相変わらずの無表情だけど言葉尻が柔らかいのか職場での雰囲気とはだいぶ違って感じる。
『はい、これ乾かして?』
「ありがとう」
先程まで使っていたドライヤーを手渡すと雑に指を通して乾かしていく姿を見つめる。
不思議だ、どうして今私の家にナジェミンがいるのだろう
今更すぎる疑問を思い浮かべていると騒がしかった音は消えて、またテレビの音が鮮明に聞こえて来た
『、、、寝よっか』
同じ布団に入ると彼はゆっくりと私に腕を回して来た、それに応えて抱きしめ合って寝る。
落ち着く、
人と寝ることは苦手なのにピッタリパズルのようにハマって安心するから不思議
『ねぇ、知ってる?』
「ん、？」
『緑色には安眠の効果があるんだって』
私の前に広がる緑は彼の広さを認識させる。
「そうなんだ、知らなかった」
少し彼に近づくと、私の使っている嗅ぎ慣れたボディソープの香り。そこに彼の匂いが混ざっていて、クセになりそうだった。
もっと嗅ぎたくて無意識に首元に吸い寄せられると
「、、ダメだよ。流石に我慢できなくなる。」
先程まで静かだった声が少しだけ焦りを見せる。眠気を誘うその香りに頭が朦朧としてきた
『、、、はーい』
脚を絡めた時からそうなってもいいと思っているのに
彼は少しキツめに私を抱く腕に力を込めると
「、、、迷惑に思ってる？」
不安そうに聞いてきた。
それが少しだけ可愛くて、普段の無愛想な彼を思うと余計にそれは加速して、でもとてつもなく眠くて
『最初は戸惑ったけど、なんか安心するから大丈夫。たまにこうやって寝たいなって思うよ。』
「、、、そう。なら良かった」
おやすみ、彼からの寝る前の挨拶に私は返事をしただろうか。あまりにも居心地の良い温かさに意識は遠退き最後の力を振り絞って想像よりも堅く逞しい胸に顔を埋めた。
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ともともも(プロフ) - ろみさん» コメントありがとうございます！沢山褒めていただいて何回も読んでニヤニヤしております。深夜に読みたくなる話がコンセプトなので分かって頂けて凄く嬉しいです！今後も頑張ります！ (2022年8月14日 12時) (
レス) id: 01f45e17e6 (このIDを非表示/違反報告)
ともともも(プロフ) - moon_shineさん» コメントありがとうございます！テイルさんの雰囲気はすごく試行錯誤したのでそう言って頂けて凄く嬉しいです。何回も読んで頂けるなんて本当に有難いです。こらからも頑張ります！ (2022年8月14日 12時) (レス) @page34 id: 01f45e17e6 (このIDを非表示/違反報告)
ろみ - 「灰緑よりも良質な眠りで包んで」拝読しました。すっごく素敵なお話でドキドキしながら楽しませていただきました。ともとももさんの作品の文体・雰囲気の美しさが好きです。深夜に読むとムードが増していいなと思っています。今後の更新も楽しみにしていますね！ (2022年8月13日 1時) (レス) @page23 id: 30195dc62b (このIDを非表示/違反報告)
moon_shine(プロフ) - ムンさんの空気感？雰囲気？が解釈一致でなんか、、、すごくリアルにムンさんを感じてしまいきゅんきゅんしました。いつもとても素敵なお話をありがとうございます。また何回も読ませて頂きます。好きです。 (2022年8月9日 12時) (レス) @page16 id: db76fff5c7 (このIDを非表示/違反報告)
ともともも(プロフ) - ふるさん» コメントありがとうございます！どちらも思い入れのある話なので好きと言って頂けて頭抱えて喜んでいます。またテンくんの作品にも挑戦しようと思っているので覗きに来てください！更新頑張ります、これからもよろしくお願いします！ (2022年8月7日 0時) (レス) id: 01f45e17e6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ともともも | 作成日時：2022年6月4日 12時
