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ナジェミン
と言えば会社での1番の有名人だった。
社長の顔は知らなくてもナジェミンは分かる。という女は数知れず
何事も破壊する勢いで石橋を叩いて渡る私が
そんな人間に興味を向けようとはしなかった。たまたま同期で、たまたま配属先が同じというだけの関係。仕事以外の内容を話したこともない
それなのに、どうしたことか
私のスカートから出る脚の間にはナジェミンの片脚が入れられている状態。
この人は何がしたいんだ?
分からないし流石に気になるが面倒事はもっとごめんだ。どうせ今日が終われば関わることも今までのようにないのだから流そうと目線を逸らす。
あぁ、早く帰りたい。
近くに座る女性社員達の媚びたような香水が混ざり合い私の頭痛をより引き寄せる。
お酒を飲むことは嫌いではないが今日は早めに帰ろう、そう思っていると
「A、お前今日二次会行くよな？」
斜め前に座る先程の先輩に声をかけられる。
『あー、今日は、、、』
そう言って不快な香りに少し目線を向けると私をよく知る先輩は気づいたらしい
「まぁ今週忙しかったし、ゆっくりしろ」
『、、、ありがとうございます。』
彼からの優しい言葉掛けは私の耳を通り抜け外にまで出て行ってしまいそうだった。
先程から落とされることのない視線
こちらを見続けるナジェミン
なんなの、どうしたいの。そう思っていると頭に手が降りてきた。
ぽんぽんと落とされたそれは身に覚えのある物
「お前、最近張り切りすぎ」
そう言ってトイレに向かう途中だった様子の先輩は私の後ろを過ぎていく。
安心する、1年目の頃からよくこうやって慰めてくれていた。
まぁだからと言って色沙汰になったかと言えば答えはNOだ。無理に位置付けるとしたら兄といったところかな、、
コツン
先程の感覚よりも強い衝撃
もう一度目を向けるといつも通りの無表情。
上がっているように見えた口許は気のせいだったみたいで、いくら私でもこの状況に冷静ではいられなかった。
別に彼のことが嫌いではなかったし、彼の周りが面倒なだけで、、、
少しの好奇心は破壊する程叩いていた橋をゆっくりと歩み始める。
彼からの視線に気づきながら、下を向いて母に嫌ほど指摘された箸を持ち目の前の料理を口に運ぶ。
きっと、この店にいる人間は誰も知らない。
ゆっくりと、私の間に収まる脚にソレを絡めた。
・
3→←灰緑よりも良質な眠りで包んで［JM］2022.08.13
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ともともも(プロフ) - ろみさん» コメントありがとうございます！沢山褒めていただいて何回も読んでニヤニヤしております。深夜に読みたくなる話がコンセプトなので分かって頂けて凄く嬉しいです！今後も頑張ります！ (2022年8月14日 12時) (
レス) id: 01f45e17e6 (このIDを非表示/違反報告)
ともともも(プロフ) - moon_shineさん» コメントありがとうございます！テイルさんの雰囲気はすごく試行錯誤したのでそう言って頂けて凄く嬉しいです。何回も読んで頂けるなんて本当に有難いです。こらからも頑張ります！ (2022年8月14日 12時) (レス) @page34 id: 01f45e17e6 (このIDを非表示/違反報告)
ろみ - 「灰緑よりも良質な眠りで包んで」拝読しました。すっごく素敵なお話でドキドキしながら楽しませていただきました。ともとももさんの作品の文体・雰囲気の美しさが好きです。深夜に読むとムードが増していいなと思っています。今後の更新も楽しみにしていますね！ (2022年8月13日 1時) (レス) @page23 id: 30195dc62b (このIDを非表示/違反報告)
moon_shine(プロフ) - ムンさんの空気感？雰囲気？が解釈一致でなんか、、、すごくリアルにムンさんを感じてしまいきゅんきゅんしました。いつもとても素敵なお話をありがとうございます。また何回も読ませて頂きます。好きです。 (2022年8月9日 12時) (レス) @page16 id: db76fff5c7 (このIDを非表示/違反報告)
ともともも(プロフ) - ふるさん» コメントありがとうございます！どちらも思い入れのある話なので好きと言って頂けて頭抱えて喜んでいます。またテンくんの作品にも挑戦しようと思っているので覗きに来てください！更新頑張ります、これからもよろしくお願いします！ (2022年8月7日 0時) (レス) id: 01f45e17e6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ともともも | 作成日時：2022年6月4日 12時
