隣に居たのはいつも貴方でした (ページ15)

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大丈夫ページ15

your side

川西さんが言っていた。今日はM-1グランプリ準決勝だって。
これで和牛さんが決勝に進めるかどうかが決まるらしい。
決勝の舞台で和牛さんを見るって川西さんと約束したから。

"大丈夫、絶対"

後輩「A先輩、聞いてます？？」

「あっ！！みかちゃん！？どうしたの？」

後輩「どうしたの？じゃないですよ〜！！A先輩、朝からずーっと上の空じゃないですか！何かありました？？」

しまった、、仕事どころじゃない、、

「ううん、なにもないよ！！305号室アテンド手伝ってくるから、みかちゃん先に休憩入っちゃって！」

後輩「はーい」

よっし！もうひと頑張り集中しなくちゃ。

と、その時だった。

ピロン

スマホに一件の通知が鳴った

" だめでした^_^; "

川西さんからだった。

そんな、、、

私に気を遣わせないようとつけてくれた顔文字。

本当は辛いはずなのに。

こんな時でも川西さんは優しい。

着信____

「もしもし..」

「あっ、、川西です！！」

川西「やっぱり自分の口で伝えたくて、、仕事中なのにすみません」

「大丈夫です。えっと、、」

川西「やっぱりそう簡単じゃないですね〜ははは」

なんて声を掛けたらいいか分からない。
だけど川西さんが無理してることだけは分かる。

「あのっ、、川西さん！！私、、普段テレビとか全く見てなくてだから何も分からなくて、、だけど！！
初めて和牛さんの漫才を間近で観た時、、感動して、、
こんなに面白い人達がいるんだって、、だからっ！私和牛さんの漫才大好きでそれで、、」

泣きそうになったけど、ここで泣いちゃダメだって懸命に我慢した

川西「はあ〜〜」

「ごめんなさい私、、」

川西「Aさん、ほんまずるいですよ、、」

「え、、？？」

川西「負けたのにそんなこと言ってもらえるなんて。
　22日、M-1の当日、準決勝で敗退した組の中から1枠決勝にいける敗者復活戦っていうのがあるんです。」

「はいしゃふっかつせん、、」

川西「そこで俺たち絶対上がるんで。約束したでしょ。行くから客席で待っててください。それじゃあまた」

普段の温厚で優しい川西さんとは違う、男らしくて真っ直ぐな川西さんのその言葉に少しだけ心がぎゅってなった。

本気で漫才が好きなんだな。

大丈夫だよ。待ってるよ。