雨が降り私は歌う [KZ] (ページ25)

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#twenty these ページ25

『過去の私に何かあったの？』

まふさんは明らかにその言葉に同様した

そう

"肯定"の合図

『何があったんですか？』

私に

私たちを苦しませる過去は

私が苦しめばいいだけなのに

『教えてください』

苦しむのは私だけでいいんです

｢彩ちゃん｣

そらるさんはゆっくりと首を横に振る

それは

"否定"の合図

｢彩｣

まふさんは溢れ出していた涙を手で救いながらニコリと笑った

｢まだ教えられないです｣

『どうしてですか？』

どうして

どうして

｢彩には笑って歌って欲しいんです｣

｢彩には幸せになって欲しいんです｣

一文字一文字を私に"訴えかける"

｢彩が思い出すまで｣

｢彩は｣

｢抱え込まないでいいんですよ？｣

·

最後の僕の言葉に彩は目を見開いた

その瞳はいつもの

雫のような綺麗な瞳で

どくどくと闇が広がっていたのがだんだんと晴れていく

あぁ

やっぱり

彩は

｢笑顔が似合います｣

彩は自分の顔を触った

『えっ私笑っていましたか？』

どうやら無自覚に微笑んでいたらしい

｢えぇ笑っていましたよねっそらるさん｣

僕は彩の正面に立っているそらるさんに話しかける

"ありがとう"

その言葉をそらるさんに瞳で伝える

｢おう彩綺麗に笑ってたぞ｣

そらるさんはそう言ってにかっと笑う

｢ついでにいうとまふも笑っているけど｣

えっ僕もっ？

『まふさん可愛い』

彩からの思いかけない嬉しい言葉がかかる

僕は瞳に涙をため｢彩ぁぁぁぁぁ！！！！｣と小さな体を抱きしめた

『わっ！！』

いきなりの事だったから彩は混乱していたが

やがて彩は僕を抱きしめ返す

｢アオハル…？｣

一人そらるさんは震えていたが

ん

やっぱり笑顔が1番ですっ！

｢彩明日出かけましょうねっ！｣

今までの苦しみを

"幸せ"にするために

｢あっ俺も｣

そらるさんは手をあげ微笑んだ

｢俺もいく｣

僕は口を尖らせた

｢ダメですよそらるさん｣

｢これは僕と彩のでーとですっ！｣

彩は『違いますっ！！』と必死に講義する

そらるさんはぷくぅと頬を膨らませると拗ねたようにいった

｢じゃぁ彩ちゃんを俺の家に持って帰る｣

｢そらるさんも行きましょっ！！｣