雨が降り私は歌う [KZ] (ページ11)

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#ten ページ11

｢笑わないで下さい｣

ぷくぅと頬を膨らませてまふさんは私の頭を優しくデコピンする。

ハハ…。

さっきまで一緒に笑ってたのに。

切り替えが凄い…。

『ごめんなさい』

私は苦笑いをしながら何ともいえない表情で謝る。

｢分かったらいいんですよ彩｣

ドヤ顔しながら笑う彼の姿はかっこよかった。

んーある意味関心。

神様も理不尽だよね…。

『そーいえば』

『私どうすればいいんでしょうか？』

すっかり溶け込んでしまっていたけどここはまふさんの赤の他人の家。

まふさんは私の家の事情も知らない。

巻き込む訳にもいかないしね。

だからと言って私もあの家には帰るつもりは全くない。

帰ったって意味がないから。

だからここで出ていってしまったら私は外をさまよう事になる。

それは何としても避けたかった。

まふさんは目をぱちくりされるとやがて花が咲くような笑みを見せる。

かっかっかっこいい…

｢じゃあ僕の家に住んじゃいましょう｣

ふへぇ？

｢今日から彩は僕の家族です！！｣

私は驚きっ！

何がなんでも急過ぎない！？

『えっいいんですか？』

私達さっき知り合ったばかりですよ？

それにまふさん私の事情知らないだろうし…

｢いいに決まってるじゃないですか｣

｢むしろ僕が彩と住みたいです｣

そういって笑うまふさん

さっきから私の気持ち分かりすぎてない？

『でも私迷惑では…？』

私はおずおずと尋ねる。

｢そんな訳ないですよっ！！｣

｢というかもう住みましょう。家族です家族｣

はやすぎる。

何もかもが

はやすぎます。

｢今日から彩は相川彩ですっ！｣

だから早いですよっ！？

『それなんか結婚してるみたいですよなんか』

苗字変わるなんて。

｢それなら結婚しましょう｣

…。

『私未成年』

なんやかんやで

立花彩

元いい

相川彩

イケメンさんと同居することになりました。