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放課後の授業 ページ5

授業が全て終わり、これから部活、バイト、家に帰ってゲームをする男子たち、これからプリクラを撮りに行く女子たち、がまばらに教室から出ていく。


そして私は___




誰もいなくなった教室。



「原藤、今日の授業は分かりにくかったか?」



好き。


名前、呼んでくれた。


好き。


教室の引き戸を開けて此方にスタスタと歩いてくる先生の足音。好き。全部好き。揺れる金色の髪の毛。揺れる貴方の瞳孔の景色。汚れ一つない眼鏡。ノリがついた服。


『あ、え、っと……………』

教卓に隠れた椅子を取り出し座る。私を前の席に座らそう促す。先生、私のために今、考えたよね。今から私と先生だけの時間だもんね。先生。

『先生、ありがと』

私は鞄から[数学ファイル]を取り出し、一枚のプリントを取り出す。そして、付箋を貼った教科書。


「今日は……嗚呼其処か」

胸元から何色もまとまった太いボールペンを取り出す。そしてボタンをカチリと押すとシャープペンシル独特の先が見える。

___駄目だよ、先生。嗚呼、駄目だよ先生。


鉛芯がプリントに当たる。教卓から身を乗り出してチラリと見える鎖骨。破廉恥すぎるよ。先生。



__先生は純白でいなきゃ




あれ?一点の疑問。




"純白だから国木田先生"なのか。



鉛芯がスーッと音を立てコツンと、句点を打つ。


「やりくいな」

そう言って、私が座った隣の席から椅子を取り出し座る。先生は背丈が結構あるほうだと思う。スラッと伸びてる足が床につくとより脚の長さが目に見えてわかる。とても座りにくそうだ。

「隣ならば教えやすいな」

窓から光が差し込み、先生の笑顔が後ろから照らされる。


ドクンドクンと脈打つ心臓。
どくどくと流れる血流。


ギラギラと先生がかけている眼鏡のレンズが私をギュッと昂ぶった気持ちにさせる。レンズには私が2つ像となったのがはっきり濃く映る。

先生、大好き。

私を見てくれるなんて、こんなにも私を見てくれるなんて。


先生大好き。

でもナイショにしなきゃ。

世間一般的に考えてみると先生は大人の年齢で、私は未だ未成年。犯罪だ。純白とは程遠くなってしまう。

もしこの世に世間一般というモノがなくても先生は先生だから純白だけども。


『ぁ、っの』

上手く言葉にできない、先生がジッと此方を見てくれる。先生大好き。じゃなかった、いやそうだけども。なんて自問自答しながら。

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作者名:ゆう | 作成日時:2023年2月18日 23時

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