〈序章〉見て。 ページ3
先生。見て。
昼休みの予鈴が鳴り、ザワザワと揺らめく人影と「チッ、次は国木田の授業かよ」と何かタテつきたい、何故か怠がりたいお年頃の同い年の男はそう言って席に座った。
チャイム(予鈴)が鳴った瞬間、ガララと引き戸が引かれる。時折、校舎が古びている所為かキキリと金切り音を出して耳を痛める。
そして本鈴までの5分間、何かテキパキと授業の準備をしていた。
私も先生に合わせて授業の準備をした。
先生が時計を確認する。
丁度__
キーンコーンカーンコーン___
本鈴が鳴る。
私は既に席に着いている。しかし、授業の準備を今から始めるであろう規律違反した女子。スカートなんか切って破廉恥な女子。如何して1万もする制服スカートを切れるのか私には理解ができない。
__スゥ
「 おい 」
"来た…………!"
私だけでなく、この教室にいる40人弱の全ての人間が思った。
シンと静まりかえる教室。後ろの女子が黒板前に立った先生に向ける視線をキリキリと感じる。後にはロッカーがあり、其処に教科書など入ってあるのだ。私は最後尾の窓側の席だから余計にピリピリとした感情を受け取ってしまう。
嫌いだ。嫌い。先生の邪魔、先生の不機嫌のモト。
先生が幸せじゃなくなってしまう__
なんて一瞬思ったけどそんな感情は過ぎ去る。
先生が私を見ている!!!先生が私の視界に入っている!!!先生が不機嫌!!!嗚呼、最高だ。最高の幸せ。先生が此れから私と一緒にいて、此の先笑顔なんて私の視界頭に記憶にいっぱいにして見れるかもしれない。でも先生の不機嫌な顔、先生が不機嫌だ。此の先見れないような表情!!!!
嗚呼、なんて此の女子は罪深いんだろう。
先生の皺ひとつを動かし、先生の視界を独り占めして、先生にクドクドと化粧だとかスカートの短さだとか、本鈴に合わせて行動しろだとか、女子は不機嫌そうに下を俯いてるのが視界の端でわかる。
先生大好き。異性だからといって
先生大好き。先生は純粋すぎる。先生は理想の為なら誰にだって嫌われてもいいもんね。でもね先生、この女子が先生のコト嫌いになったぶん、私が先生のコト好きになるよ。
「さっさと遅刻届取ってこい」
嗚呼、駄目だよ先生。
これじゃあ、あの女子の
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ゆう | 作成日時:2023年2月18日 23時