【悪役令嬢】私シンデレラの姉なんですけど【ならぬ悪役姉】

くうぉーつせんせいでした ページ41

「チューニングとウォーミングアップが終わったら俺を呼んでくれ。いいな？」



『はい。了解しました。』



先生が優しく微笑んで部屋を出ていくのを見て、ほっと息を吐く。



国王からトランペット習うとか異常でしょ･･･あの気迫のせいで息吸えねぇわ。



まずコートを脱いで楽器だそう。私は動きだした。



──────────



『先生、ウォーミングアップ終わりました。』



「わかった。では行こうか」



背中に手を回されびっくりする。この先生はパーソナルスペースたるものが無く、私を本物の娘のように扱ってくれるいい人ではある･･･のだが、国王にそんなことされちゃあ･･･ねぇ。



「さぁ。まずは･･･全体通してみようか」



はい、と返事をし、楽器を構える。前世はファゴットだったんすけどね、トランペットかっけー。



──────────



「ふむ。･･･」



先生が急に何かを考え出す。するとすごく深刻そうな顔をして私に喋りかけた。



「ごめん。一回俺のことお父様って呼んでくれる？」



『は？･･･あっ』



あっ人生終わったな



「いや、変だと思うのは分かるんだけどさ。俺お父様って呼ばれたことないんだよね」



『国宝にもなる娘さんがいらっしゃるのではないですか？』



「いや、いるよ。呼ばれてるよ」



矛盾してるだろ･･･



『呼ばれたことないのでは？』



「うん。ドリゼラに呼ばれたことないね」



私にかよ！



『はぁ･･･』



でも別に断る理由もないし、これで断って「打首じゃぁ(裏声」なんてなったら怖いので呼ぶことに。



『お父様･･･？』(クウォーツ補整バージョン「お父様っ･･･♡」)



「･･･」



先生が黙り出したぞ･･･なんじゃ、なんじゃもんじゃ？



「ちょ、ちょっと、トイレ」



前かがみで走り出した先生においてけぼりにされた私は思わず叫んだ



『ロリコンかよ！！！』

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