【悪役令嬢】私シンデレラの姉なんですけど【ならぬ悪役姉】

あさのじかんがやってきました ページ18

「こーけこっこおおおおお！」



『ゔ』



アナスタシアの殺意は無いけど人を殺せる強烈なタックルで目を覚ました。



「ねえちゃん！おハロー！」



お分かりいただけるだろうか。アナスタシアは私とふたりきりの時だけ言語能力が綺麗に初期化されるのだ。おぞましい･･･



『おはよう･･･今何時？』



とりあえずアナスタシアの頭を撫でて興奮を落ち着かせる。･･･表現が犬みたいだけど、ホントの話。



「えとね、6時2分58びょ･･･3分！！･･･と、3秒！4秒！5秒！！」



『あぁはいはいわかったわかった』



永遠に続きそうなので強制終了。朝6時にこんなテンション･･･この子ったら恐ろしい子だこと。



寝起きでちょっと重い体を起こしてさっきアナスタシアが何言ってたか分かんなかったから自分で時計を見た。6時3分か。あれは聞いた私が悪かった。



「ドリゼラ様、朝食はいつもの時間でございます。今日も散歩に行かれますか？」



いつもの時間とは7時30分のこと。私は毎日中庭を散歩をするのが趣味の一つなのだ。



『ええ。そうさせてもらうわ。』



「でしたらドレスとヘアセットを･･･」



『いいわ。今日も自分で出来るもの。でもありがとう。』



メイドさんに退室してもらって、支度をする。メイドさんにお着替えしてもらうのって、精神年齢おばさんにとってはめっちゃ恥ずいんだからな！



「ねえちゃん！私どれ着ればいい！？！？」



朝に人間離れした強靭な耐性を持っているアナスタシアはぴょんぴょんと跳ね回っている。



『今日は･･･これ着よっか』



ピンクの動きやすそうなドレス。ちゃんとレースも刺繍も付いているものをアナスタシアに着せて、私は緑のドレスコレクションから適当にとったものを着る。




「髪やって！！いつもの！！」



ジブ〇アニメの女の子のようにバタバタとはしゃぐアナスタシアは化粧台の前に座って机をたんたんたんと叩く。朝から騒がしいが、そんなアナスタシアといると自然に私自身も元気が出てくる。



『はーい。明日は自分でやってみようか？』



「うん！教えて！」



ハーフアップにして扇形にしたオレンジ色のリボンを付ける。



『はい』



「ありがとー！」



アナスタシアは毛量が多いので非常にやりがいがある。私も早くこの前髪を上げてしまおうと化粧台に座った時、



ガチャ



扉が開いた。

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