#1 出会い ページ2
ここ数日怠けまくっていた私は〆切間近で急いでカフェに向かった。
いつも通り迷わず“抹茶のフラぺ”を注文する。
狭い店内は満席だったものの、一組のカップルが退席したので2席のうちの1席に座った。
タブレットの下書きを清書していると私の隣の席が埋まった。
違和感に気づいたのは数分後だった。
ものすごい視線を感じる。
ふと隣の席を見ると先程私の隣に座った人が私の手元のタブレットをまじまじと見ていた。
よくある話だ。
気にせず描いていよう。
するといきなり声をかけられた。
？｢すみません、もしかしてイラストレーターされてたりしますか？｣
私｢まぁ…近い職業ではあります。｣
似て非なる職業ではあるが、サッと答えてしまった。
？｢今お忙しいですか…ね…？｣
私｢はい、今日は忙しい…ですね(汗)｣
人見知りの私は話しかけてきた人の顔を見ることなく淡々と話を進めた。
？｢素晴らしい絵をかける貴方のお力をお借りしたいのですが｣
私｢そのようなご要件でしたら名刺をお渡しさせていただくのでアドレスに……｣
私｢！？！？｣
そこには私がGW中に画面越しに沢山見た人がいた。
水溜りボンド・トミーだった。
私｢………？？｣
言葉を詰まらせてしまった。
ト｢？？？｣
私｢あっえっとすみません、鞄にしまってあるので少々お待ちください…。｣
もちろん驚いた。
私の絵を見て…ってなんかの企画…？
まさかお仕事の依頼を直接持ちかけられるとは思ってもなかったなぁ。
あっ、名刺あったあった。
私｢お待たせ致しました、こちらに記載されているアドレスにお問い合わせしていただけると助かります…。｣
ト｢…！漫画家さんなんですね！｣
私｢あ、はい…一応…。｣
？？？この空間なんだろう？？？
ト｢○○(ペンネーム)さんですね！今日漫画買って帰ります！詳しいことはまたご連絡させていただきますね！ではまた！｣
私｢あっまt…｣
私が言い切る前に彼は颯爽と去っていった。
ぽかんとしている場合じゃない！
〆切がやばいんだった…！
私はほわほわしたよくわからない感情のまま仕事を続けた。
そういや彼も“抹茶のフラぺ”も頼んでいたなぁ。
.｡o♡o｡.｡o♡o｡.｡o♡o｡.｡o♡o｡.｡o♡o｡.｡o♡o｡
この時の私は7年ぶりの恋愛感情を有名人の彼に抱くなんて思ってもいなかったし、
あんなにも泣いたり笑ったり感情を揺さぶられることはないと思ってた。
To be continue…♡
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作者名：Mo | 作成日時：2019年5月7日 17時
