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ありがとう、と笑う先生。私も嬉しくなって微笑んだが、直ぐ顔が暗くなったのを先生が見逃すわけなく心配される。
『一颯…先生』
私が声を発すれば先生は黙って話を聞いてくれていた。何も言わないから落ち着いて、とでも言うようにその瞳は優しい。
『さっき言った通り、先生のやることには必ず意味がある。それはこの半年間で分かったことだし、多分先生が起こしたこの立て篭りだって何か意味があるんだと思う』
手を何度も組み替えてしまうほどに落ち着きがない。普段冷静沈着だと自分で思っていたのだが、先生の事となるとそれは別のようだ。
『でもせんせ？……さっき言ってた"半年間この為だけに生きてきた"ってどう意味…？』
｢……北原…、Aはどう思う？｣
下の名前で呼ぶ先生。これは先生が本気で生徒と向き合う時の合図のようなもの。
『この立て篭りは先生にとって大きな役割を担っていて、それの為に先生が一生懸命準備してきた…のは分かる、んだけど、』
鼻の奥がツーンとする。視界が歪んで涙が溢れてきた。涙を流さないようにぐっと堪える
『もしかしたら、先生が私を助けてくれたあの時から先生はそのことしか頭になくて、
美術室に通っても良いかって聞いた時の先生の笑顔も、私の絵を褒めてくれた時の先生の気持ちも、メールアドレスを教えてくれた時の先生との信頼関係も…全部ｯ、嘘だったのかなぁｯて、思って……』
ダメだった。堪えても溢れてくる涙は止まらなくて、ボロボロと頬を伝う。今の私の顔は到底綺麗とは言えないだろう。
変な事聞いてごめんなさい、と泣き止めるようにゆっくり息を吸う。すると目の前にハンカチを差し出された。そのハンカチには見覚えがあって
『え、一颯先生それ』
｢有難く使わせてもらってるよ｣
それは、私にまた前を向かせてくれた先生に対してお礼として以前プレゼントしたものだった。
使っている素振りなんて見せなかったから、やっぱり迷惑だったのかななんて思ってたのに。
｢確かに俺は半年間この事に命を注いできたけど、A、お前はそんな生活の中での癒しだったよ。｣
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くすさな(プロフ) - 夜空舞琳さん» すみません…気付かなかったです(><)訂正しました！よろしかったら確認お願いします！これからもよろしくお願いしますm(_ _)m (2019年3月5日 13時) (
レス) id: 780399e946 (このIDを非表示/違反報告)
夜空舞琳(プロフ) - ページ31の里見が風見になってますよ (2019年3月5日 9時) (レス) id: 560c97d27f (このIDを非表示/違反報告)
くすさな(プロフ) - さくさん» ありがとうございます！そんな事を言って頂けるとは...感無量です(*^^*)これからも頑張りますね!! (2019年3月5日 0時) (レス) id: 780399e946 (このIDを非表示/違反報告)
さく(プロフ) - 続きがすごく気になります！更新頑張ってください！楽しみにしてます！ (2019年3月5日 0時) (レス) id: 0e87e79620 (このIDを非表示/違反報告)
くすさな(プロフ) - 花音さん» ありがとうございます(´∀`)頑張りますねっ！ (2019年3月3日 16時) (レス) id: 780399e946 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：くすさな | 作成日時：2019年2月25日 23時
