人質生活･2日目 ページ30
3月10日。屋上。そこに居たのは私と先生だけ。心地よい春らしい風が吹いていて髪を揺らした。青い空に浮かぶのはmindvoiceのコメント。その文章は文字化けしていて読み取れない。
先生が歩きだし、私はそれについていく。あまり高くない屋上の塀。そこに彼は立ち、軽く手を広げる。危ないという考えは自然と出てこない。
そして先生はこう言った。
｢この瞬間を持って、俺の授業は…完結する｣
振り返り、私に微笑む。何かがおかしい。なんだろう。いつもと変わらない笑顔な筈なのに、何故か違和感を覚える。視界に不純物が混ざったかのように、その違和感は拭えない
私が1歩踏み出せば、彼は後ろに倒れて行った。一瞬にして消える彼の姿に、不安になり、走る。そのまま地面を蹴り、私も後を追った。
先生の服を引っ張り、抱き寄せる。彼は目をつぶっていて、私をみていない。
この校舎なんてそれ程高くも無いのに、いつまでも地面は訪れない。ずっとレコードの音だけが聞こえる。何も無い空と、香る花の匂い。私達はどこに落ちるのかも分からないまま、いつか着くであろう底へ身を任せた。
『先生……』
視界が変わる。そこには見慣れた天井が写っていて、先程の事が夢だと分かった。それにしても変な夢だった。
だる重い体を動かせば体に掛けていた毛布がずり落ちる。いつの間にか2枚に増えていて、彼の優しさに顔が綻んだ。固まった体を少しずつ動かしながら上半身を起こせば丁度、先生が入ってきた。どうやらみんなの所へ行っていたらしい。
｢あ、起きたか。もう授業始まってるぞ｣
『え、嘘。』
｢時計見ろ｣
時計を見ると確かに既にいつもなら授業が始まっている時間。明らかに遅刻だ。慌てて飛び起きようとすれば止められた。
｢今行ったらお前、今までどこに居たんだ…ってなるだろ。確実に｣
『うわ本当だ…めんどくさい奴じゃないですかそれ。』
｢そ。だから授業でどうせ騒がしくなるし、そん時しれっと戻っとけ。｣
『自分の授業で皆が騒がしくなるの前提なんだ』
｢あいつらの事だ。反抗するし、そう簡単には納得もしない。だからこそ授業をする必要がある。そうなれば…騒がしくなるのは必然だろ｣
ジャケットを脱ぎ、背もたれに掛け、椅子に座る。じっと画面しか見ない先生。
『それで、今日はなんの授業なんですか』
そう問えば、これを見ろ。と1台のパソコンを向けられる。流れる動画は澪奈が追い詰められた原因の動画だった。
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くすさな(プロフ) - 夜空舞琳さん» すみません…気付かなかったです(><)訂正しました！よろしかったら確認お願いします！これからもよろしくお願いしますm(_ _)m (2019年3月5日 13時) (
レス) id: 780399e946 (このIDを非表示/違反報告)
夜空舞琳(プロフ) - ページ31の里見が風見になってますよ (2019年3月5日 9時) (レス) id: 560c97d27f (このIDを非表示/違反報告)
くすさな(プロフ) - さくさん» ありがとうございます！そんな事を言って頂けるとは...感無量です(*^^*)これからも頑張りますね!! (2019年3月5日 0時) (レス) id: 780399e946 (このIDを非表示/違反報告)
さく(プロフ) - 続きがすごく気になります！更新頑張ってください！楽しみにしてます！ (2019年3月5日 0時) (レス) id: 0e87e79620 (このIDを非表示/違反報告)
くすさな(プロフ) - 花音さん» ありがとうございます(´∀`)頑張りますねっ！ (2019年3月3日 16時) (レス) id: 780399e946 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：くすさな | 作成日時：2019年2月25日 23時
