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『彼の胸から流れてた赤い液体は血では無かった。もう自分の血を何度も見てるんです。そのくらい分かりますよ』
病状が酷くなるにつれ血を吐くことが多々あった。苦しくは無い。急に嘔吐感に苛まれ、吐き出すとそれが血液だっただけだ。
『それに、先生の両手に着いてるその液体が乾いているにも関わらず、色が変色していないのが決め手です』
本物の血液であれば、凝固と共に暗めの色へと変化する。
自分の手のひらをを見て、なるほどなと呟く先生。どうやら私がそこまで見ているとは思ってなかったみたいだ。
どうですか？当たってますか？得意げに問えば、肯定が帰ってくる。
｢お前は本当に頭がいいな…いや、この場合観察に長けてるってところか。｣
『先生、いま一瞬私の成績の事思い出したでしょ』
｢なんの事だ｣
今回の事はたまたま身近な事だったのが項を制したが、普段の私の記憶力……もとい学業においては決して褒められるものでも無かった
勿論担任である彼はそれを知っている。
特に英語が大の苦手。全般的に悪いというより、差が激しいと言ったほうが的確か。得意なのは数学。
｢美術だけはピカイチなんだがな｣
『美術専門教師にそれ言われると鼻が高いね』
小さい頃与えられた紙と鉛筆で当時好きだったアニメキャラを描いたのが始まり。それだけ早く始めれば、自然と上達した。
｢当たり前だ。お前は俺の後輩になるんだから｣
『……そうしたかったけど、やっぱり行かないことにしたよ。親に無駄なお金出させたくないしね』
実は私は進学先として先生の行っていた美術大学を希望していた。先生が丁寧にデッサンを1から教えてくれた事もあり、何とか合格にこじつけていた。
が、余命宣告を受けて入学希望を取り消してもらったのだ。理由は先程の通り。
頭に重みが乗っかる。ワシャワシャと頭を撫でられ髪が乱れた。先生、と読んでも撫でるのを辞めない。しばらく続けたあと、頭を2回叩いて手を引いた。
『先生、撫でてくれるのは凄く嬉しいんですが、なんの嫌がらせでしょうか？』
｢すまんすまん。今櫛を持ってくるから背中こっち向けろ。｣
回転式の椅子を回し、先生に背を向ける。少し膨らんでいた頬から空気が抜けた。間を開けて先生の声
｢触るぞ｣
『どぞ』
一応許可を獲る所が彼らしい。先生の指が髪をすくい上げ、丁寧に梳かしていく。全て終わった頃、後頭部に何かが触れた。感覚的に先生のおでこだった。肩も捕まれ完全に振り向けない
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くすさな(プロフ) - 夜空舞琳さん» すみません…気付かなかったです(><)訂正しました！よろしかったら確認お願いします！これからもよろしくお願いしますm(_ _)m (2019年3月5日 13時) (
レス) id: 780399e946 (このIDを非表示/違反報告)
夜空舞琳(プロフ) - ページ31の里見が風見になってますよ (2019年3月5日 9時) (レス) id: 560c97d27f (このIDを非表示/違反報告)
くすさな(プロフ) - さくさん» ありがとうございます！そんな事を言って頂けるとは...感無量です(*^^*)これからも頑張りますね!! (2019年3月5日 0時) (レス) id: 780399e946 (このIDを非表示/違反報告)
さく(プロフ) - 続きがすごく気になります！更新頑張ってください！楽しみにしてます！ (2019年3月5日 0時) (レス) id: 0e87e79620 (このIDを非表示/違反報告)
くすさな(プロフ) - 花音さん» ありがとうございます(´∀`)頑張りますねっ！ (2019年3月3日 16時) (レス) id: 780399e946 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：くすさな | 作成日時：2019年2月25日 23時
